【取材】Oasys、完全DAO化に向けガバナンスを立ち上げ

Oasys、完全DAO化に向けガバナンスを立ち上げ

ゲーム特化型ブロックチェーンのオアシス(Oasys)が、プロジェクトロードマップに掲げている2028年までの完全DAO化に向け、分散型意思決定プロセスとしてのガバナンスを立ち上げたことを1月19日に発表した。

オアシスは今後プロジェクトに関する様々な意思決定に関してオアシスのトークンホルダーに参加してもらい、ネットワークを分散化させていくことが重要になるとリリースで示している。そしてその第一歩として、オアシスはガバナンスを立ち上げ、パブリックな運用に向けて段階的に体制整備していくことを決定したという。

2023年は試験的な運用体制として、オアシスのパートナー企業を中心としたジェネシスカウンシル(Genesis Council)にて議題の提案や投票を行っていくとのこと。

また一般のトークンホルダーが投票に参加できるプロセスを導入する予定だという。そして2024年には、ジェネシスカウンシルの運用経験をもとに正式なカウンシルメンバーを任命し、一般のトークンホルダーからの提案受け入れも開始する予定とのことだ。

オアシスはガバナンス体制をとっていく理由について「ガバナンスの開始により、ネットワークの分散化が進むことはもちろん、オアシスのバリデータ企業などを中心に世界的に名高いゲーム会社や、Web3ゲーム関連会社などにプロジェクトの意思決プロセスに参加いただくことで、ゲームに特化したチェーンとしてあるべき姿を実現するうえでより良い意思決定が可能になると考えています」と説明している。

またブロックチェーンゲーム領域における主要企業が参加するカウンシルを組成し、オアシスガバナンスにて業界のスタンダードを作っていくことでブロックチェーンゲームの発展に貢献していく方針だという。

具体的には、NFTのインタオペラビリティ向上を目的に、ゲームやメタバースに特化したNFTメタデータ標準規格の策定などに取り組む予定としている。

加筆:1月19日15時43分

Oasys Directorの森山大器氏へ取材

あたらしい経済編集部は、OasysのDirectorの森山大器氏へ取材を行った。

–「DAO化」は、組織がどんな状態になれば実現したといえるのでしょうか?

DAO化を運営形態の観点から要素に分けると、

① ガバナンス(方針の提案、議論、承認)
② 執行(上記で決まった方針の実行)

の2つがあると考えておりまして、Oasysとしては①と②の両方で可能な限りの外部化を行っていきたいと考えています。

世の中で言われている”DAO化”には、②の執行部分のみを外部化し、それをもってDAO化したと主張している例(主にPR目的のもの)も多く存在していると認識していますが、これは①のガバナンス(方針の提案、議論、承認)の部分が外部化されていないという意味で完全なDAOではないと考えています。

–「DAO化」していく上で、どんな課題が待ち受けていると考えていますか?

具体的な課題は今後DAO化のプロセスを進めていく中で解像度が高くなってくると思いますが、チャレンジとしては、DAO化はあくまで目的ではなく手段であり、いかにしてDAO化という手段を「あるべき姿を実現するうえでより良い意思決定を可能にする」という目的の達成に繋げられるかどうかだと思っています。

インセンティブテクノロジーを用いたDAOという新しいガバナンスの形態がどこまで有効に機能するのか、試行錯誤を重ねながらフロンティアを切り開いていきたいと考えています。

参考:Oasys
images:iStocks/Ninja-Studiod
デザイン:一本寿和

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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