3AC創業者が破産債権に特化した取引所開設に向け、2500万ドル調達を計画

3AC創業者、FTX等の破産債権の取引提供目指す

2022年7月に破産した暗号資産(仮想通貨)ヘッジファンドのスリーアローズキャピタル(Three Allows Capital:3AC)の共同創業者スー・チュー(Su Zhu)氏とカイル・デイビス(Kyle Davies)氏が、新たな暗号資産取引所の開設に向け2,500万ドル(約32億円)の資金調達を計画していることが明らかになった。

1月16日のThe Blockの報道によると、チュー氏とデイビス氏は新たな暗号資産取引所「GTX」開設のための資金調達に向け、投資家にピッチを行っているとのこと。

ピッチ資料によると、新たな取引所「GTX」は暗号資産取引所FTXの破産により発生した100万人以上の行き場のない債権者にフォーカスした取引所になるという。現状、FTXの債権者は、額面の10%以下の価格で債権を即時売却するか、破産処理が終了するまで何年間も待ち続けるかの2択の状態となっている。そこで「GTX」は、債権者がFTXの債権を「GTX」に移行することにより、債権を用いた取引を行えるような仕組みを提供するという。

なお「GTX」は、暗号資産取引所コインフレックス(CoinFLEX)の共同創業者であるマーク・ラム(Mark Lamb)氏およびサドゥー・アルムガム(Sudhu Arumugam)氏と提携しており、コインフレックスの技術を活用して「GTX」の取引所機能の構築を進めるとのことだ。

チュー氏とデイビス氏は暗号資産市場における債権の市場規模を200億ドル(約2.5兆円)と見積もっており、今後FTXのみならずセルシウス(Celsius)やブロックファイ(BlockFi)などの破産債権にも範囲を広げる予定とのこと。

「GTX」は早ければ今年の2月末に開設される予定だという。まずは債権取引を提供し、その後、暗号資産取引、株式取引、FXと機能を拡大していくとのことだ。

なお「GTX」という名称はFTXをもじって付けられた仮の名称であり、実際の取引所名とは異なるとのことだ。

3ACは、2022年5月に発生したテラUSD(UST)の価格崩壊によって損失を被り、7月1日にニューヨークの裁判所に破産申請を行っている。3ACの破産をきっかけとして、同社に資金を貸し出していたブロックファイやボイジャーデジタル(Voyager Digital)なども多額の不良債権を抱えることとなり、両社ともに破産を申請している。

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参考:The Block
デザイン:一本寿和
images:iStocks/ChrisGorgio

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この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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