WEF、暗号資産が今後に引き起こすリスク言及
スイス拠点の国際機関である世界経済フォーラム(WEF)が、今後社会が直面する様々なリスクをまとめた「グローバルリスクレポート2023(Global Risks Report 2023)」を1月11日に発表した。
このレポートでは、大学や企業に所属する1,200人以上の専門家の意見をもとに短期(2年)、長期(10年)の視点で国際社会が直面するリスクを分析している。
短期的なリスクのうち最も深刻度が高いリスクは、物価高騰などによる「生活費の危機」とのこと。次いで「異常気象による自然災害」、ロシアによるウクライナ侵攻などに起因する「地政学的な対立」となった。
長期的なリスクでは、「気候変動緩和の失敗」「異常気象による自然災害」「生態系の崩壊」など環境に関するリスクが上位10項目のうち6つを占めた。
なお報告書では暗号資産(仮想通貨)についても触れられている。
暗号資産にまつわるリスクは「資産バブルの崩壊」という項目に含まれている。世界経済フォーラムに参加する121か国の12,000人以上の経営者が、全35項目のリスクを深刻度の高い順に順位付けしたところ、12か国で「資産バブルの崩壊」が上位5つのリスクに入ったとのこと。これらの国には中国、韓国、カナダ、英国などが含まれている。
また「資産バブルの崩壊」によって引き起こされる相互的なリスクについては「生活費の危機」「雇用の危機」「債務危機」「物価の安定化の失敗」などが挙げられている。
なおビットコインのマイニングなどによる電力消費や環境負荷などは特に指摘されていなかった。
また報告書では、メタバースの発展によるプライバシーの侵害の可能性についても触れられている。デジタル化が進むに連れて日々の行動の監視および商品化が進み、メタバースがそれらを加速させるという。メタバースの発展により、表情や声の抑揚、バイタルサインなどのより詳細なデータが収集される可能性があるとのことだ。
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参考:WEF
images:Reuters