コインベースの元マネージャーの弟がインサイダー取引で懲役10ヶ月
米コインベースグローバル(Coinbase Global)の元プロダクトマネージャーのイシャン・ワヒ(Ishan Wahi)氏の弟ニキル・ワヒ(Nikhil Wahi)氏が、米国検察当局が「暗号資産(仮想通貨)に関わる初のインサイダー取引事件」と呼ぶ事件について有罪を認め、禁固刑10ヶ月の判決を1月10日に受けた。
弟のニキル・ワヒ(Nikhil Wahi)受刑者は、コインベースの機密情報をもとに暗号資産の取引を行ったことを認め、9月に電信詐欺の共謀罪の適用を認めていた。
コインベース元プロダクトマネージャーで兄のイシャン・ワヒ(Ishan Wahi)氏は、弟ニキルとその友人のサミール・ラマニ(Sameer Ramani)氏に同取引所の新規取扱予定の暗号資産に関する情報を共有したと検察は述べている。
なお兄のイシャン容疑者は無罪を主張しており、友人サミールは逃亡中だ。
弟ワヒ受刑者は40銘柄におよぶ暗号資産について、コインベースの取扱い発表に先立ち違法に取引を行い、約90万ドルの利益を得たと検察は指摘している。それに対し検察は10ヵ月から16か月の刑を勧告していた。
マンハッタン連邦裁判所の判決公判で、ロレッタ・プレスカ(Loretta Preska)連邦地裁判事は、彼の犯罪は 「単独で判断したもの」ではないと述べた。
なお今回の判決は、米国の検察当局と規制当局が暗号資産企業やその幹部に対する監視を強化する中で下されたものである。
マンハッタンの連邦検事トップであるダミアン・ウィリアムズ(Damian Williams)氏は声明で「今日の判決は、暗号資産市場が無法地帯ではないことを明確にした」と伝えている。
ワヒ受刑者の母親をはじめ、約12人の家族や友人が彼の判決に出席した。
ワヒ受刑者は、米国での大学進学のために資金を提供してくれた両親に恩返しをするためにインサイダー取引を行ったと語った。
「両親を助けたかったが、その代わりに大きな苦しみを与えてしまった。私は自分のしたことをとても後悔しています」と述べている。
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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Ex-Coinbase manager’s brother sentenced to 10 months in insider trading case
Reporting by Luc Cohen in New York; Editing by Lisa Shumaker and Richard Chang
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters