アスター渡辺創太、web3事業・プロダクト提供「Startale Labs」を新設

アスター渡辺氏がStartale Labsを新設

日本発のパブリックブロックチェーン「アスターネットワーク(Astar Network)」ファウンダーの渡辺創太氏が、新会社「Startale LabsPte Ltd(スターテイルラボ) 」設立を1月5日発表した。

「スターテイルラボ」はシンガポール法人として今年1月3日に設立されたという。CEOには渡辺氏が就いている。この新会社ではパブリックブロックチェーンでのdApps(分散型アプリ)やインフラの開発、独自プロダクトの開発、大企業へのR&Dやコンサルティングの提供を行うとのこと。

また同社では、これまで「アスターネットワーク」で培ってきた実績や繋がりを元に研究開発やインキュベーションを行っていくとも伝えられている。

さらに発表によると今月1月中に、子会社「Startale Labs Japan(スターテイルラボジャパン)」を日本に設立することも予定されているとのこと。同子会社では、「アスターネットワーク」の日本発パブリックブロックチェーンという強みを活かして、日本でのweb3事業開発と事業コンサルティングを展開するとのことだ。

渡辺氏は「スターテイルラボ」について「イメージとしては北米のConsenSys(コンセンシス)、ヨーロッパのParity(パリティ)にあたる企業をアジアにつくりたいと思います」とコメントしている。

なお「アスターネットワーク」は昨年6月に国内web3事業者を中心としたコンソーシアム組織「Astar Japan Lab(アスタージャパンラボ)」を設立している。「国内事業者とweb3サービスプロバイダーの交流・協業を促進すること」を目的にしたコンソーシアムとして、アスタージャパンラボには国内の複数のweb3企業をはじめ、電通、博報堂、日本マイクロソフト、AWS、三菱UFJ信託銀行、SMBC日興証券、ソフトバンク、アクセンチュア、PwC Japanなどの数十社の企業が参加する他、自治体として福岡市や仙台市も同ラボに参加している。

また「アスターネットワーク」は博報堂と共に、ジョイントベンチャーの「博報堂キースリー」を昨年12月に設立している。同新会社は「WEB3.0ハッカソンの企画・運営を行いながらクライアント企業と共にWEB3.0サービスを開発する新会社」とのことだ。

アスターネットワークとは

アスターネットワークは、異なるブロックチェーンの相互接続(インターオペラビリティ)を目指すプロジェクトであるポルカドット(Polkadot)のパラチェーンとして2021年12月に接続し、昨年1月17日にメインネットローンチしたブロックチェーンだ。

ポルカドットは中心的な機能を果たすリレーチェーンと、そのリレーチェーンに接続される個別のブロックチェーンであるパラチェーンによって構成されている。ポルカドットリレーチェーンでは、スマートコントラクトをサポートしていない為、アスターはポルカドットへEVM(イーサリアムバーチャルマシン)やWASM(ウェブアッセンブリ)を提供することで、複数のブロックチェーンをサポートするマルチチェーンスマートコントラクトハブの役割を担っている。

またアスターネットワークでは、開発者支援の為にBuild to Earn(構築して稼ぐ)の仕組みである「dApp staking」有しているのが特徴だ。「アスターネットワーク」と統合したdAppやインフラストラクチャに対して、ユーザーが同ネットワークのネイティブトークン「ASTR」をステーキングする(賭ける/預ける)ことで、開発者とユーザーが報酬を得られる仕組みとなっている。ユーザーは「dApp Staking」でdAppに「ASTR」をステーキングする事で、報酬を受取りながらも、開発者を支援することが可能となる。

なおアスターネットワークは、シンガポール拠点のステイクテクノロジーズ(Stake Technologies)が開発を主導しており、同社のCEOも渡辺創太氏が務めている。

現在「ASTR」は、暗号資産(仮想通貨)取引所のフォビグローバル(Huobi Global)、OKX(オーケーエックス)、Gate.io(ゲート)、クラーケングローバル(Kraken Global)、クーコイン(KuCoin)、バイナンス(Binance)、バイナンスUS、クリプトドットコム(Crypto.com)、そして国内ではビットバンク(bitbank)で取り扱われている。

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参考:渡辺創太氏note

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。