【取材】web3活動を視覚化する「Phi」、ポリゴン(MATIC)でメインネットローンチ

Phiがメインネットローンチ

web3ソーシャルプラットフォーム「Phi(ファイ)」が、Polygon(ポリゴン)メインネット上でのローンチを12月15日に発表した。

「Phi」は今年3月にStarkNet(スタークネット)のGoerli(ゴエリ)テストネット上で最初のデモを開始し、8月にはPolygonのMumbai(ムンバイ)でテストネットローンチしていた。

なお同プロジェクトは、9月にDEX(分散型取引所)Uniswap(ユニスワップ)の開発を支援するユニスワップ財団の助成金プログラムに選出されており、2,000ドルを獲得していた。彼らのメインネットのローンチ記事によれば、Lens Protocol(レンズプロトコル)、AAVE(アーベ)、Polygonからも助成金を獲得している模様だ。

Phiとは

「Phi」は、ウォレットのオンチェーンおよびオフチェーンのアクティビティに基づいて構成されるビジュアルレイヤーのプロジェクト。

ユーザーは「DeFi(分散型金融)での取引」や「NFTの保有」の履歴から一定条件を満たすことで手に入る「オブジェクト」を利用して独自のweb3の世界となるビジュアルを、街を育てるようにゲーム感覚で構築ができる。これによりユーザーのインタラクション、オンチェーンの進行状況、個人的な好み、およびソーシャルグラフが表示できるようになっている。つまり「Phi」では、ユーザー独自のブロックチェーン上での活動が、ユーザーの個性としてビジュアルで表現可能になるというわけだ。

なお「Phi」を利用するにはウォレットアドレスと紐づいたENS(イーサリアムネームサービス)のドメインNFTが必要になる。

ちなみに「Phi」のピクセルアートは、世界的に有名なeBoy(イーボーイ)氏が中心となってデザインしている。eBoy氏は、GUCCI(グッチ)やPaul Smith(ポールスミス)、BALENCIAGA(バレンシアガ)などのトップブランドとコラボした実績や、NounsDAO(ナウンズダオ)というweb3を代表するNFTプロジェクトの共同創業者としてデザインを手がけた経験もある。またeBoy氏だけでなく、日本で活躍するピクセルアーティスト、ta2nb(タツノブ)氏とfuzuzu(フズズ)氏の両氏もピクセルアーティストとして「Phi」で活動している。

また「Phi」は今月17日に、同プロジェクトのデザインアセットをクリエイティブコモンズゼロ(CC0)のライセンスとして利用可能にしたことを発表している。これにより著作権による利益を放棄し、「Phi」上のオブジェクトなどのデザインアセットを完全にパブリック・ドメインとして、コミュニティに解放したとのこと。

なお「Phi」は、日本人のShugo(シューゴ)氏(辻周悟氏)、Consome(コンソメ)氏(匿名希望)、Zak(ザク)氏(匿名希望)の3人が今年の1月に共同創業したプロジェクト。CEOを務める辻氏は独立系VCのF Ventures(エフベンチャーズ)でのインターンを経て米国で「Phi」を創業した。

「Phi」共同創業者兼CEO 辻周悟氏のコメント

「あたらしい経済」編集部は「Phi」の共同創業者でCEOの辻周悟氏に今回のメインネットローンチにあたり取材し、以下のコメントを得た。

「Phiは、よりユーザーが楽しくweb3を体験できる機会を『Simcity(シムシティ)』のようなカジュアルなゲーミングアプローチで提供しています。今後は、より多くの著名なプロトコルとのコラボや面白い新機能の実装を予定しています。ぜひ試しに触ってみて、自分だけの土地を作ってみてください!

また来年以降は、より多くのプロトコルやアーティスト、開発者の方々を巻き込んで、コミュニティの力を最大限活用した持続的な体制を構築することにも注力していきます。

PhiのデザインアセットはCC0です。僕らの許可がなくとも、ゲームやNFTコレクション、異なるビジュアルでの可視化など、様々なアプローチを取ることができます。ぜひ、一緒にPhiをより面白くしていきましょう!」

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参考:Phi

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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