アンバーがシリーズCで3億ドル調達、Fenbushi US主導で

アンバーグループがシリーズCで3億ドル調達

シンガポール拠点にグローバル展開する暗号資産(仮想通貨)金融サービス事業者アンバーグループ(Amber Group)が、シリーズCの資金調達ラウンドにて3億ドル(約408億円)調達したことを12月16日発表した。

アンバーによるとこのラウンドを主導したのは、中国最大のブロックチェーン投資企業フェンブシキャピタル(Fenbushi Capital)の米国部門のFenbushi Capital USとのこと。他にも暗号資産投資家やファミリーオフィス(富裕層一族を対象にした資産運用会社)が出資参加したとのことだ。

なおアンバーでは、FTXの経営破綻以前に「暗号資産の冬の時代」に備え、企業評価額30億ドルにおよぶシリーズBの延長ラウンドの調達を進めていたという。しかしFTXの事件以降に市況が変化したことにより、今回のシリーズCを進めたとのことだ。

またアンバーは、同社の総取引資金の10%をFTXに預け入れていたとのことだが、「日常業務や事業継続に影響を与えるものではない」と説明をしている。

ただし一部報道では今回のシリーズCで調達した資金は、FTX経営破綻を発端にアンバー提供のプロダクトで損失を被ったユーザー向けに充てられるとも報じられている。

なおアンバーによると今回のシリーズCの投資家らは、アンバーが機関投資家や富裕層向けのサービス提供に集中することを条件に出資を行ったとのことで、アンバーでは今後コンシューマー向け事業を含めた採算の合わない事業を縮小するとのことだ。

アンバーは「2023年に向けてコアビジネスと顧客にフォーカスすることを優先する」と来年の方針を表明している。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/ChrisGorgio

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。