オーストラリア政府が暗号サービスプロバイダーのライセンス認可始動へ
オーストラリア政府が、2023年中に暗号資産のサービス提供者に対しライセンス認可制の導入と規制のためのフレームワーク確立を行う。財務大臣補佐官・金融サービス担当大臣のスティーブン・ジョーンズ議員(The Hon Stephen Jones)が自身のポートフォリオにて、その計画を12月14日発表した。
ジョーンズ大臣によると、今年5月に第31代オーストラリア首相となったアンソニー・アルバニージー(Anthony Norman Albanese)氏のもと発足したアルバニージー政権では、金融システム近代化へ向けた改革を実施することで新たな経済機会を受け入れ、未来の課題に対応する体制を整えようと計画しているという。
具体的には、オーストラリアの決済システムの更新及び強化・金融市場インフラの強化・後払い決済(Buy Now Pay Later)のための規制枠組みの確立・暗号資産サービス提供者のライセンス認可及び規制の枠組みの確立などの施策を行うようだ。
政府は暗号資産に関する施策について、政府が進める「トークン・マッピング」作業の次のステップとして、どのようなデジタル資産が金融サービス法で規制されるべきかを知らせる「コンサルテーション・ペーパー」を2023年初頭に発表するとしている。また消費者保護のための適切な保管とライセンス設定を開発するとのことだ。また、「トークン・マッピング」の発表後は、法律導入の前に、カストディとライセンスの枠組みについて協議する予定だとしている。
なお「トークン・マッピング」は、オーストラリア国内で保有されているデジタル通貨の種類と用途を目録化する施策である。
また政府は暗号資産以外の施策にも言及しており、2023年早々にも同国の決済システムの将来についての戦略的計画を発表するとしている。
戦略的計画のひとつとして、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)とオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)に追加権限を与えるとし、清算・決済において競合他社が出現した場合や独占的な提供が継続されている場合には、競争的な結果を促進するための法律を導入する予定とのこと。
これによりオーストラリア証券投資委員会(ASIC)は、大臣の承認を得て、価格設定・アクセス・ガバナンス体制・相互運用性など、競争に関連する事項を管理するための規則を迅速に制定できるようになるとのことだ。
オーストラリア政府は8月、国内の暗号資産(仮想通貨)保有量について仮想的な棚卸を行うことを発表していた。このことから中道左派の新政権が1兆ドル規模の部門を規制する計画であることが示唆されていた。
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参考:Ministers Treasury portfolio
デザイン:一本寿和
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