分散型インフラNillion、150社以上から約28億円調達

Nillion、約28億円調達

分散型インフラを開発するニリオン(Nillion)が、戦略的パートナーや投資家らから2,000万ドル(約28億円)以上の資金調達を完了したことを12月11日に発表した。

今回の調達はディストリビューティッド・グローバル(Distributed Global)が主導し、ビッグブレインホールディングス(Big Brain Holdings)、チャプターワン(Chapter One)、GSR、ハッシュキー(Hashkey)、OP Crypto、SALT Fundなど150以上の企業から出資を受けたとのことだ。

ニリオンは、データの安全な保存と計算のための新しいインターネット・インフラストラクチャを開発する企業だ。またニリオンは、ニル・メッセージ・コンピュート(Nil Message Compute :NMC)と呼ばれる数学的な革新を利用した分散型ネットワークで、安全なマルチパーティ計算(MPC)技術も活用している。 なおニリオンの公式サイトには、NMCは分散型の安全なストレージと計算のために専用設計されており、ニリオンのネイティブネットワーク上で新しいユースケースを開拓し、同時に既存のブロックチェーンのサポートを強化することもできると説明されている。

またNMCはニリオンのネットワーク上にデータを断片化し分散させることで、プライバシーを確保しつつ、基礎となるデータの高速な計算を可能にするという。そしてNMCの大きな特徴は、ノード間の通信を必要とせずに計算処理が行われることだという。

さらにその技術は、分散型クレジットスコアリング、プライベートNFT、分散型セキュアストレージサービスなどweb3における新しいユーティリティを生み出す可能性が秘めていると説明されている。

ニリオンのCEOであるアレックス・ペイジ(Alex Page)氏は「私たちは多くのweb3プロジェクトが過剰に集中保有する初期投資家によってネットワークが所有され、苦しむのを見てきました。だからこそ、トークンの5%以上を欲しがるシリコンバレーのベンチャーキャピタルには、単にプロジェクトに名前を貸すだけではダメだと判断したのです。その代わりに私たちは、プロジェクトを愛しサポートし価値を与えてくれる広く分散した初期貢献者たちを慎重に招待しました」とコメントしている。

参考:Nillion
images:iStocks/BadBrother
デザイン:一本寿和

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。