web3ファンドParadigm、「Rust言語」のイーサリアムノードクライアントをリリース

Rust言語でのイーサリアムノードクライアント「Reth」がリリース

web3ファンド「パラダイム(Paradigm)」が、「Rust言語」で記述されたイーサリアム(Ethereum)のノードクライアント「レス(Reth:Rust Ethereum)」のリリースを12月8日に発表した。

「レス」は同社のGitHubで無料公開されており、誰でもすぐに利用ができる。「レス」を利用することでユーザーは「Go言語」や「Java言語」などの代わりに、「Rust言語」を用いたイーサリアムのバリデーターノードを立ち上げることができるという。

「パラダイム」によると、「レス」は9月20日に開発が開始されたもので作業は未だ進行中であるため、完全に実装されていない機能やテストが完了していない機能もいくつか存在しているとのこと。またネットワークとの完全な同期は、2023年の第1四半期初めに実装される予定であるとのことだ。

現在イーサリアムのバリデーターノードとしてもっとも利用されているのは、「Go言語」で記述された「ゲス(Geth:Go Ethereum)」であり、イーサリアム財団によると全体のうち80パーセント以上のノードが「ゲス」を利用しているという。

なお、ほとんどのノードが同じクライアントソフトウェアを利用していることは、1つのバグによってネットワークが停止する可能性があることや、web3で重要視されている思想である分散性の観点などから、イーサリアム開発者コミュニティなどで問題視がされてきた(単一障害点の懸念)。

「パラダイム」は「レスを利用し、エコシステム内でのクライアントのパイを大きくすることでコンセンサスを重視する採用を抑えつつ、ネットワークの健全性に貢献することを目的としています」と述べている。

今年6月には「エリゴン(Erigon)」によって「Rust言語」でのイーサリアムクライアント「アクラ(Akula)」がリリースされていたが、リソース不足であったことや「アクラ」と類似したサービスであるパラダイムの「レス」開発が発覚し、注目されたことで11月にサポートを停止していた。

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参考:バラダイム
デザイン:一本寿和
images:iStocks/NKTN

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。