ニューヨーク州、暗号資産PoWマイニング禁止法が成立

ニューヨークでPoWマイニング禁止法が成立

米ニューヨーク州のキャシー・ホークル(Kathy Hochul)知事が、プルーフオブワーク(PoW)型の暗号資産のマイニングを禁止する法案に11月22日に署名したことが、ニューヨーク州上院によって明らかになった。

この法案では、法案の施行から2年間をPoWマイニングのモラトリアム(猶予期間)として定めている。そしてこの期間中は、炭素系燃料を使用して発電を行い、マイニング企業に電力を供給する発電施設に対して、ライセンスの更新および新規登録を停止することが定められている。つまり、この法案が成立したことにより、炭素系燃料を使用するマイニング企業は、今後2年間電力の供給が受けられなくなった(100%再生可能エネルギー使用企業は除く)。

また同法案では、ニューヨーク州の環境保全部門がマイニング企業の環境影響評価書を作成することも定められている。

PoWマイニングにおいては、膨大なコンピューティングリソースと電力が必要とされるため、環境保護の観点からPoWマイニングへの批判が強まっている。ニューヨーク州では今年4月に今回の法案の原案が州議会で可決され、その後6月に州上院で可決されていた。

ニューヨーク州下院議員であり、今回の法案作成に関わったアンナ・ケレス(Anna Kelles)氏は今回の法案承認について「これは私たちの地球にとって大きな勝利であり、ニューヨークが気候政策で国をリードすることを恐れていないことの表れです。一緒に戦ってくれたみんなに感謝します 」とツイッターにてコメントしている。

一方でブロックチェーン擁護団体のチャンバー・オブ・デジタル・コマース(Chamber of Digital Commerce)の創業者ぺリアン・ボーリング(Perianne Boring)氏は「今日まで、ニューヨークの他の産業がエネルギー使用量を理由に制限されたことはありませんでした。これは、電力を使える人と使えない人を区別するという、危険な前例となります」とツイッターでコメントしている。

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参考:ニューヨーク州上院
デザイン:一本寿和
images:iStocks/NCemile-Bingol・antoniokhr

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この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。