FTXから暗号資産盗んだハッカー、資産をイーサリアム(ETH)に交換

FTXに攻撃したハッカー、資産をETHへ変換

破産申請に至った暗号資産(暗号資産)取引所FTXから資産を奪ったハッカーが、その暗号資産を11日から継続的にイーサリアムのイーサ(ETH)に交換しているようだ。

セキュリティー専門会社ペックシールド(PeckShield)によると、11月16日時点でハッカーは自身のウォレットに235,392ETHを保有しており、これは全イーサリアム保有者の中でも34位の保有量(総供給量の0.195%)となるという。

FTXでは、11日の破産申請の数時間後に顧客ウォレットがハッキングされ、合計約4.8億ドル(約670億円)の資産が盗まれる事件が発生していた。

なおこのハッキングはFTXが資産をホットウォレットからコールドウォレットに移すタイミングで起こったため、内部関係者による犯行の可能性も疑われている。

ハッキングによって盗まれた資産にはETH、AAVE、MATIC、USDTなど様々な種類のトークンが含まれており、ハッカーはマルチチェーン(Multichain)、ユニスワップ(Uniswap)、スシスワップ(SushiSwap)などのトークンスワップサービスを利用してそれらのトークンをETHに変換している。

なおテザー社はハッキングが発覚した直後にハッカーのものと思われる該当のウォレットアドレスをブラックリストに加えた。この措置により、ハッカーが保有する約3000万ドルのUSDTが凍結されている。

またハッカーがトークンをトロンネットワーク(Tron Network)へ移動する過程で、ガス代の補填用としてTRXが暗号資産取引所クラーケン(Kraken)からハッカーのアドレスへ送信されたことが確認出来ている。そのためクラーケンは法務執行当局とともにこのアカウントの詳細を調査することにより、ハッカーの身元特定を試みている。

関連ニュース

米当局、FTXの顧客資産流用について経営陣の関与を調査=関係筋

バイナンスCZ、FTX破産の影響受けたプロジェクト支援の「事業再生基金」設立を表明

ソフトバンク、投資先FTX破産は大きな影響がない「暗号資産分野の投資額は全体の1.3%」

ハマ警察、FTXへ犯罪捜査開始

「暗号資産業界には明確な規制必要」、バイナンスCZが指

デザイン:一本寿和
images:iStocks/LuckyStep48

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。