関東財務局がFTXJPに行政処分
国内暗号資産(仮想通貨)取引所FTX Japanに、関東財務局より資金決済法に基づく行政処分が11月10日下された。処分の内容は業務停止および業務改善命令となっている。
行政処分の翌11日午前5時頃、これを受けFTXJP親会社の海外暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所FTXは、FTXJPでの売買等の取引停止を発表。
続けて同日FTXJPも「行政処分に関するお詫びとお知らせ」を公開し、「新規口座開設の停止」「現物取引の停止」・「法定通貨の入金及び暗号資産の入庫の停止(追証に対応する場合は可)」・「新規のパーペチュアル及び四半期先物取引ならびにこれらデリバティブ取引に関わる証拠金等の預託の停止(決済取引のみ可)」について、「本日以降すみやかに実施する」としている。
なお現在FTXJPでは入金が可能となっているが、控えるようアナウンスされている。
行政処分の理由について
今回FTXJPに行政処分が下された理由は、FTXJPが利用者に明確な理由を説明することなく、親会社の方針であるとして、再開の日程を明示しないまま、利用者に対する預かり資産の出庫・出金を停止している一方で、利用者からの資産受入れや利用者との暗号資産取引を継続しているところであると関東財務局は説明している。
なおFTXJPは9日に、資産の売買等の取引はそのままに、出庫・出金を一時的に停止すると発表していた。
2022.11.11 14:20追記
FTXJPは14:16に公式ツイッターアカウントから、日本円の引き出し再開を発表した。なお暗号資産の出庫については再開していない。
このFTXJPの対応について関東財務局は、「親会社FTXについて信用不安となっている旨の報道がなされている中で、FTXJPとの資本・取引関係を踏まえれば、速やかに利用者の新たな取引を停止させるとともに、FTXJPの資産が国外の関連会社等に流出し利用者の利益が害されるといった事態を招かぬよう、万全を期する必要がある」と指摘をしている。
業務の停止・改善命令について
FTXJPへの業務停止命令は、処分が下された11月10日から12月9日までの期間。その間は暗号資産交換業に関する業務と利用者から財産を受け入れる業務を停止することが命じられている。
ただしこの期間は「利用者から預かった法定通貨及び暗号資産を速やかに返還できる態勢の整備が図られ、その状況が当局において確認される場合には、それまでの間」と付け加えられている。
また暗号資産交換業に関する業務については「預かり資産の管理及び利用者の決済取引等当局が個別に認めたものを除く」とも記載がある。
業務改善命令については「利用者の正確な把握及び利用者から預かった資産の正確な把握を行うこと」「利用者から預かった資産について保全を図るとともに、会社財産を不当に費消する行為を行わないこと」、「利用者間における公平に配慮しつつ、利用者の保護に万全の措置を講じること」、「利用者の資産保全について、利用者への周知徹底を適切に行うとともに、利用者への適切な対応に配慮すること」の4つがあげられている。
またこれら対応について、業務改善計画を11月16日までに書面で提出することと、業務改善計画の実施完了までの間、1ヶ月毎の進捗・実施状況を翌月10日までに書面で報告することが義務付けられている。
We are following the guidance of the JFSA and will be putting https://t.co/XblZK9n7s1 into close-only mode @FTX_JP is a separate entity that strictly follows the Japanese regulation on asset segregation https://t.co/q3bYGEuNIw
— FTX (@FTX_Official) November 10, 2022
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