NFTクリエイターがロイヤリティ(報酬)をコントロール、OpenSeaがオンチェーンツール提供へ

NFTクリエイターがロイヤリティ(報酬)をコントロール、OpenSeaがオンチェーンツール提供へ

NFTマーケットプレイスのオープンシー(OpenSea)が、クリエイター手数料(ロイヤリティ)をオンチェーンで執行するためのツールを11月6日に発表した。

なお同ツールは11月8日(火)午後12時(米国東部時間)以降に生まれた新しいNFTコレクションのクリエイターに対応する。これによりクリエイターはNFTを販売した際に得られる手数料(ロイヤリティ)の割合を自身で決められようになる。反対にコレクターはNFT購入時にその設定された手数料を支払うことになる。

最近ではマジックエデン(MagicEden)やルックスレア(LooksRare)などのマーケットプレイスが、NFT購入側にクリエイター手数料の支払いを選択させる仕組みをとっている。そのためほとんどのコレクターが手数料支払いを拒否している状況だ。またそれを受けクリエイター手数料の支払いが必要なオープンシーの取引は減少しており、同プラットフォームの動向は注目されていた。そんな中今回オープンシーはコレクターに対し、クリエイターへの手数料支払いの方針を明確に表したことになる。

なおオープンシーはNFTクリエイターのロイヤリティに関するスタンスとして「基本的に、そのロイヤリティに関する選択はクリエイター自身が行うべきものであり、マーケットプレイスによって決定されるべきではないと私たちは考えています。そこで私たちは、クリエイターの手にもっと力を与え、彼らのビジネスモデルをコントロールするためのツールを装備することで、天秤のバランスを取ろうと考えています」と公式ブログで説明している。

オープンシーはNFTクリエイターのロイヤリティをより効果的に作品をマネタイズするためのweb3の重要なイノベーションと考えているようだ。そしてオープンシーは、NFTマーケットプレイスがクリエイターにマーケットプレイスのビジネスモデルを強制するべきではなく、クリエイターが独立してコントロールできるべきだという見解を示している。

なお既存のコレクションに対しては、チェーン上で手数料を得ることが難しいため、このオンチェーンツールの適用は行わないとのことだ。ただ透明性を確保するために、すべてのクリエイター、コレクション、コミュニティが同じではないことを認識しながらも、それを反映した長期的なポリシーを作成していくという。

またオープンシーは今後数ヶ月の間に、オンチェーンに関する取り組みの追加ツールや改良を発表し、その過程でコミュニティと協力してフィードバックを得ていく方針だという。

オープンシーは今月2日、プラットフォーム上で共有されるURLが悪意のあるものであるかスキャンする「不正URLの検知・削除機能」の導入と、NFTの盗難をリアルタイム検出し、そのNFTの再販を防止する「盗難NFTの再販防止機能」のテスト開始を発表している。

また9月にはオープンシーはNFTのレアリティを計算するプロダクト「オープンレアリティ(OpenRarity)」実装した。この機能実装によりオープンシーが販売するコレクションのNFTにレアリティ(希少性)が表示されるようになった。ユーザーは外部のNFT希少性追跡ツールを使用する必要がなくなった。

参考:OpenSea
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Rabbit_Photo

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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