DAO向け財務管理プロトコル「Aera」、ポリゴンでローンチ

DAO向け財務管理プロトコル「Aera」ポリゴンで公開

自律分散型組織(DAO)向けの財務管理プロトコルであるアエラ(Aera)が、ポリゴン(Polygon)上に公開されたことが11月1日発表された。

ポリゴンはイーサリアム互換のパブリックチェーンで、ポリゴンのネットワーク上にはアーベ(Aave)やスシスワップ(SushiSwap)など多数のDeFiサービスが構築されている。

アエラは、DAOにおける財務管理を効率化することを目的として開発が進められているプロトコルだ。DAOにおいては、中央管理主体が存在しないため、資産の配分や運用方法などの決定のために時間のかかるプロセスが必要とされている。アエラはこのようなプロセスを自律化することで、分散性を維持しながらDAOの資本効率を向上させることを目指している。

ポリゴン上にアエラを稼働させることで、アエラの技術チームは低コストで迅速な実験を繰り返し行えるようになるとのこと。またイーサリアム互換のネットワーク上での導入が成功すれば、アエラのマルチチェーン化が大きく進むとしている。

またポリゴン側のメリットとしては、現在DAOが他のブロックチェーンで保有している約1.6兆円分の資産が、アエラの導入によってポリゴンに流入する可能性があるとしている。

アエラの製品責任者シャーン・ヴァリア(Shaan Varia)氏は「私たちは、スケーラビリティ、セキュリティ、および持続可能性という明確な利点から、ポリゴンをローンチパートナーとして選択しました。アエラがDAOに提供する金庫および財務の可視化ツールは、資本効率を変革すると信じています」とコメントしている。

アエラの仕組み

アエラの仕組みは以下の通りだ。

(1)DAOの資産の一部をアエラの金庫に移す。
(2)DAOの資産の配分を変更したい者は提案を行う。ただし提案の際に自分の資産をいくらかステーキングする必要がある。
(3)その提案の配分に近づくようアービトラージャーがアエラ金庫上の資産の売買を行う
(4)配分変更の結果として利益が生じた場合は、提案者に報酬が与えられる。逆に損失が発生した場合は提案者がペナルティを被る。

DAOはアエラを利用することで、資本効率の向上、運用コストの削減、ガバナンス介入の縮小などのメリットを享受できるとされている。

アエラは現在アルファ版であり、2023年第1四半期にベータ版を公開する予定となっている。

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参考:Aera
デザイン:一本寿和

images:iStocks/Blue-Planet-Studio

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この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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