バイナンス、分散型オラクルネットワーク「バイナンス・オラクル」立ち上げ

バイナンスが「バイナンス・オラクル」立ち上げ

大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)が、分散型オラクルネットワークである「バイナンス・オラクル(Binance Oracle)」の立ち上げを10月26日に発表した。

オラクルネットワークとは現実の情報をブロックチェーンに伝える役割を果たすものであり、オラクルネットワークを利用することで、現実で起きた事象をトリガーとするスマートコントラクトの構築などを行えるようになる。

「バイナンス・オラクル」は初期段階として、バイナンスが管理するブロックチェーン「BNBチェーン」に適用されるとのこと。現時点で10以上の「BNBチェーン」上のプロジェクトが「バイナンス・オラクル」を導入しているとのことだ。なお「バイナンス・オラクル」は将来的に、より多くのブロックチェーンに対応することを目指すとしている。

「バイナンス・オラクル」は多数の取引所の価格情報をリアルタイムで取得し、アルゴリズムにしたがってインデックス価格を算出・提示するとのこと。その際、バイナンスの公開鍵を用いてデータを複数回検証することで、データの真正性を保証するとのことだ。

さらに独自の分散署名メカニズム(Threshold Signature Scheme)を導入することにより、セキュリティについて単一障害点が発生しない仕組みになっているとのことだ。

BNBチェーンの投資部門ディレクターであるグウェンドリン・レジーナ(Gwendolyn Regina)氏は「今後はスマートコントラクトがオラクルを通じてブロックチェーンの外で起こっていることを認識し、外部のイベントに対応するアクションを起こせるようにすることが重要になります。バイナンス・オラクルは、包括的な精度とアクセス性を備えた安定的で信頼性の高い、効率的なオラクルネットワークを提供することで、Web3への重要な貢献者となるでしょう」とコメントしている。

なお10月7日にBNBチェーンの一部であるバイナンス・スマート・チェーン(BSC)のクロスチェーンブリッジでハッキングが発生した。このハッキングにより、200万BNBの不正発行とBSCの一時的なチェーン停止が起こったが、同月12日にBSCのアップグレードが行われ、現在は正常に稼働している。

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参考:BNB Chain
デザイン:一本寿和

images:iStocks/Chan2545

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この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。