SBI VCトレードら、自動円転機能搭載web3ウォレット提供へ
暗号資産(仮想通貨)取引所などを運営するSBIグループのSBI VCトレードが、日本円だけでオンチェーンNFTの売買が可能な「SBI Web3ウォレット」を10月26日発表した。このウォレットは2023年1月に提供予定とのこと。SBI VCトレードは、SBI NFTとGincoと共同で「SBI Web3ウォレット」を開発中だという。
なお発表によると、まずこのウォレットは本日よりSBI VCトレードで取扱を開始したポリゴンネットワーク上のトークン「MATIC」に対応するようだ。なお今後は複数のNFTマーケットプレイス等のweb3サービスへの対応や、マルチチェーン化を検討していくとのこと。
「SBI Web3ウォレット」では、自動円転機能により日本円だけで取引しているような使いやすさを実現し、事業者及びユーザー共に暗号資産の売買からNFTの売買・保管までを含めた一気通貫の機能を提供していくとのこと。
「SBI Web3ウォレット」の機能として次の3つが説明されている。
(1)安全なウォレット機能 ・当社がユーザーのウォレットを作成、安全に管理
・NFT取引はパブリックチェーン上に全て記録、取引情報の透明性を担保
(2)自動円転機能(暗号資産⇔日本円)
・ユーザーの暗号資産⇔円の交換を自動執行
・ユーザーは当社口座内の暗号資産や日本円でNFTを売買
(3)dApps(分散型アプリケーション)との接続機能
・ゲームやマーケットプレイスなどのdAppsと接続・利用が可能に(同社が許可したもの)
・接続dAppsは今後追加予定(現在はSBINFT Marketのみ)
また「SBI Web3ウォレット」の事業者へのメリットとして、「暗号資産に関する会計処理の煩雑さなくNFT事業展開が可能」、「パブリックチェーン上でグローバルなNFT事業展開が可能」なことが挙げられている。
ユーザーへのメリットは「SBI VCトレードに口座開設するだけでNFTを売買できる(SBINFT Market内)」、「暗号資産と日本円のどちらでもNFTを購入できる」ことが挙げられている。
今回の発表に合わせPolygon Studiosのビール依子氏は「Polygonはブロックチェーンのマスアダプションに向けて技術的開発だけでなく、技術を人々に届けるサービスを構築するプレーヤーとの連携を進めてきました。今回このシステムによって日本からWeb3に参入したいと考える企業の方の課題を解決し、普及が進むことに期待しています」とコメントしている。
なおSBIホールディングスは昨年9月にNFTマーケットプレイス「nanakusa」運営の株式会社スマートアプリ(現SBI NFT)を連結子会社化し、NFT市場へ参入した。そして今年3月にNFTマーケットプレイス「nanakusa」をリブランディングし「SBINFT Market」をリリースした。「SBI NFT Market」はNFTの発行・販売・二次流通機能を備えたNFTマーケットプレイスであり、イーサリアム(ethereum)及びポリゴン(Polygon)のブロックチェーンに対応している。またSBI NFTはローソンと提携し、「LAWSON TICKET NFT」を提供している。
SBI VCトレード関係者へ取材
「あたらしい経済」編集部はSBI VCトレードの関係者へ取材を行った。
––ユーザーは日本円でNFTを購入できるので、暗号資産でNFTを購入する際のような課税ポイントは発生しないということでしょうか?
ご認識の通り、NFTを購入する為の暗号資産に関しては課税されないとの認識です。
––今後、オンチェーンNFTはどのように発展していくと考えていますか?
世界とつながっているオンチェーンNFTは非常に大きな可能性を秘めています。日本の事業者が、グローバルスタンダードのオンチェーンNFTビジネスに気軽に参入できる環境整備を行い、日本人が現在誰でもインターネットのしくみを意識せず使っているかのように、気軽にオンチェーンNFTが生活の中で使われる世界が訪れると考えております。
参考:SBI VCトレード
images:iStocks/bgkovak