国内で暗号資産の上場前審査が一部撤廃か、12月から=報道

12月中に国内で暗号資産の上場前審査が一部撤廃か

日本の取引所における暗号資産上場の事前審査が原則撤廃され、事後モニタリングへ移行されると、10月19日ブルームバーグが報じた。

報道によると、12月中にも自主規制団体であるJVCEA(日本暗号資産取引業協会)によって新たなルールが施行される見込みとのこと。

なおブルームバーグは、独自に入手した資料をもとに報道を行っているという。またJVCEA副会長の小田玄紀氏へ取材を行い、同協会による今回の取り組みについての意向を確認している。

事前審査が原則撤廃対象となるのは、国内取引所で上場済みの銘柄のみとなるようだ。報道によると「ICO(イニシャルコインオファリング)やIEO(イニシャルエクスチェンジオファリング)の暗号資産および国内初の上場となる暗号資産を除く全ての銘柄」と記載がある。

ただし対象暗号資産上場に際して、交換業者からJVCEAへの事前報告については残るとのこと。また手続きについては1件10万円をJVCEAに支払う必要があるという。さらに上場後に交換業者は、3ヵ月に1度のリポート作成と提出が求められるとのこと。

JVCEAは事前審査を行わない代わりに各銘柄についてモニタリングを行い、不適切な暗号資産として判断された場合は業者への確認や必要に応じての取り扱い停止・廃止の要請をするとのことだ。

なおブルームバーグの小田氏への取材によると同氏の個人的な考えとしたうえで「国内初の暗号資産についても来年度くらいには、一定の条件を満たせば事前審査なく上場が可能となればと考えている」と説明をしているとのこと。

今年8月に自由民主党NFT政策検討プロジェクトチームが3月に公開した「NFTホワイトペーパー 〜Web3.0 時代を見据えたわが国のNFT戦略」に対して行われた追加提言の中には、新規暗号資産の取り扱いの原則自由化についての項目があった。

「政策スタンスを事前記載型(ホワイトリスト方式)から事後監視型(ブラックリスト方式)へ転換する」提言がされており、web3PT座長で自民党の平将明議員は「日本ではかなりハードルは高い。そのため実際進めるとなると本質的なのは上場までの時間短縮になると思う」と「あたらしい経済」の取材に対して回答をしていた。

追加提言を行った「Web3.JP」のメンバーでアスターネットワーク(Astar Network)ファウンダーの渡辺創太氏は「僕個人としても色々意見させていただいてますが、正直ここまで早くweb3の国家戦略化、期末課税廃止、上場審査の原則廃止(ホワイトリストからブラックリスト方式へ)をやっていただけるとは思ってませんでした。意見したからには僕も結果出さないといけない。日本のために頑張って結果出したい」と自身のツイッターでコメントをしている。

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参考:ブルームバーグ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/salarko

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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