ドミニカ国がトロン(TRX)を公式ブロックチェーンに採用、ドミニカコイン(DMC)発行へ

ドミニカ国、Toronを公式ブロックチェーンに。独自コインの発行目指す

ドミニカ国がトロン(Tron)を国家指定のブロックチェーンプラットフォームに採用し、ドミニカコインの開発・発行を進めることを10月12日に発表した。

ドミニカ国(Commonwealth of Dominica)は、ドミニカ共和国とは別国のカリブ海に位置する人口約7万人の島国だ。

またトロンは2017年にジャスティン・サン(Justin Sun)氏によって開発されたパブリックブロックチェーンである。コンセンサス・アルゴリズムにDPoS(Delegated Proof of Stake)を使用しており、高い処理速度と低い手数料を強みとして持つ。トロン上ではP2Pファイル転送プロトコルであるビットトレント(BitTorrent)やDeFiプロトコルであるジャスト(JUST)などが開発されている。

今回ドミニカ国が発表したドミニカコイン(DMC)は、トロンブロックチェーンベースのファントークンとなっている。詳細な仕様は明らかにされていないが、DMCを通じて「ドミニカの自然遺産の認知度を高め、観光名所を世界規模に拡大する」とのこと。またDMCを起点に強力なインフラ、多様な農業基盤、革新的な開発の実現を目指すと説明されている。

またドミニカ国が公開した条令によると、トロンが公式ブロックチェーンプラットフォームとして採用されたことにより、トロン上で発行される複数の通貨がドミニカ国での公共サービスの支払いや納税に使用できるようになる可能性があるとのことだ。

適用される通貨はビットトレントのガバナンストークン「BTT」、ジャストのガバナンストークン「JST」、NFTプロトコルであるエイプNFT(APENFT)のガバナンストークン「NFT」、トロンのガバナンストークン「TRX」、そしてステーブルコインの「USDT」「USDD」「TUSD」の計7種類となっている。

またこの条令により、これらの通貨が法定通貨としての地位を持つことも明文化された。暗号資産を法定通貨として承認する例は、2021年9月のエルサルバドルおよび今年4月の中央アフリカによるビットコインの法定通貨化があるが、アルトコインが法定通貨となるのは今回が初となる。

ドミニカ国のルーズベルト・スケリット(Roosevelt Skerrit)首相は「トロンブロックチェーンのオープンで費用対効果の高い性質は、将来、ドミニカのような開発途上の島国を世界経済へ接続するために重要な役割を果たすだろう」とコメントしている。

ドミニカ国は今年5月に仮想資産事業(Virtual Asset Business)法を制定しており、国家全体でデジタルイノベーションを進めている。

関連ニュース

「TRON DAO Reserve」、USDD担保に5億USDCを追加購入

国内初、オーケーコインジャパンがトロン(TRX)ステーキングサービス提供へ

エルサルバドル、ビットコイン法定通貨化の初日は波乱含み

エルサルバドルがビットコイン押し目買い、保有総数2,381BTCに

グレイスケールがSECを提訴、ビットコイン現物ETF拒否に対し

参考:Tron条例
デザイン:一本寿和
images:iStocks/DancingMan・sumkinna

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

広告

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している