CBDCハッカソン「G20 TechSprint」、各部門の優勝チーム発表

CBDCハッカソン「G20 TechSprint」の優勝チーム発表

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の技術革新を目標とするハッカソン「G20テックスプリント2022(G20 TechSprint 2022)」の結果が10月12日に発表された。

G20テックスプリントは国際決済銀行(BIS)イノベーションハブとその年のG20議長国によって開催されるCBDCに特化したハッカソンである。今年はインドネシアの中央銀行であるインドネシア銀行が開催した。

出場チームは「効果的かつ堅牢な発行及び流通」、「金融包摂の実現」、「相互運用性」の3部門のいずれかにエントリーし、課題を解決する技術ソリューションを提案する。それぞれの部門で優勝チームが選出され、優勝チームは5万3000ドルの賞金が与えられる。また最終選考に残ったチームも賞金とCBDCの専門家からのフィードバックを得ることができる。

今回のテックスプリントでは「効果的かつ堅牢な発行及び流通」部門でシンガポールのドラゴンフライ・フィンテック(Dragonfly Fintech)が、「金融包摂の実現」部門では米国のビット・アイデミア(Bitt-IDEMIA)が、「相互運用性」部門ではシンガポールのパーティアー(Partior)が優勝となった。

ドラゴンフライ・フィンテックはブロックチェーンを利用したデジタルバンキングを提供するフィンテック企業である。今回のテックスプリントでは、同社のモバイルウォレットや支払いシステムなどを含めたエンドツーエンドCBDCソリューションが提案された。

ビット・アイデミアはデジタル通貨管理システムを提供するフィンテック企業ビット(Bitt)とID技術に強みを持つテクノロジー企業アイデミア(IDEMIA)の共同チームである。同チームは、ビットのデジタル通貨管理システムとアイデミアのID技術を組み合わせた「オフラインでも安全かつ安価にCBDCを使用可能な支払いデバイス」を提案した。

パーティアー(Partior)はJPモルガンとシンガポール大手銀行DBS、政府系投資会社テマセク(Temasek)が共同で立ち上げたプロジェクトである。ブロックチェーンを基盤としたクロスボーダー決済プラットフォームを開発しており、今回はブロックチェーンベースのマルチCBDCネットワークを提案した。

BISイノベーションハブの責任者であるセシリア・スキングスレー(Cecilia Skingsley)氏は「このテックスプリントによって、私たちはCBDCに関する実務を改善することができます。これらの技術的なソリューションは、中央銀行のツールボックスに追加され、CBDCのさらなる開発のための踏み台となります。受賞チームの皆さまに心よりお祝い申し上げます」とコメントしている。

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参考:BIS
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Sakramir

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この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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