NFTレンタルサービスの「RentaFi」がリリース
国内ブロックチェーン関連企業のシンシズモ(synschismo)が、NFTレンタルサービス「RentaFi(レンタファイ)」の本リリースを10月11日発表した。同サービスはベータ版で8月にリリースされていた。
「RentaFi」では、サービスに対応したNFTの貸し借りが行えるとのこと。これにより貸し手はウォレットの中にある利用できていないNFTを貸し出すことで、レンタル料として受動的な収益を得ることができ、また借り手は少ない資本でNFTのユーティリティが利用できるという。
同サービスを利用する貸し手は、NFTのブランドや原価に合わせた価格や期間の設定が可能なため、NFTのブランドを毀損することなくレンタルを導入することが可能だという。また貸し借りの取引はサービス内で自動で処理するため、NFTを貸し出す際の盗難のリスクや借りる際の返却忘れのリスクを回避しながら利用できると説明されている。
なお「RentaFi」は今回、イーサリアム(Ethereum)およびポリゴン(Polygon)のメインネットでリリースされた。今後はBSCチェーンやアバランチ(Avalanche)など他のブロックチェーンにも拡大する予定だという。
また現在のところ「RentaFi」に対応するNFTは、イーサリアム上で発行されている「クリプトバーP2P(CryptoBarP2P)」の年間パスポートと、ポリゴン上のNFTコレクション「ベリーエクスペンシブキモノ(VeryExpensiveKimono)」とのこと。「CryptoBarP2P」の年間パスポートを借りることで、借り手は同店舗の1Day利用などが可能となる。また着物をコンセプトとした「VeryExpensiveKimono」を借りることで、NFTに着物を着付けることができるという。
なお「ベリロン:VeryLongAnimals(ポリゴン発行)」、「ベリロン2Dアバターズ:VeryLong2DAvatars(ポリゴン発行)」、「シンギュラリティトウキョウメンバーシップ:SingularityTokyo Membership(イーサ発行)」にも対応する予定とのことだ。
「RentaFi」開発元のシンシズモは今年5月エコシステム拡大を目的に、第三者割当増資によりEast Venturesから1500万円の資金調達を実施していた。
またシンシズモは8月に「polygon studios」とマーケティング支援においての協業を発表している
「あたらしい経済」編集部はsynschismo株式会社の取締役である山口睦生氏へ取材を行った。
synschismo株式会社 取締役 山口睦生氏へ取材
–「RentaFi」の収益はどのように得ているのでしょうか?
現在、借り手ユーザーがNFTを借りる際に支払うレンタル料金のうちの5%分をプロトコル手数料として頂戴しています。貸し手への手数料負担はございません。
–NFTにレンタル機能をもたせるイーサリアムのトークン規格「ERC-4907」について、どのようにお考えでしょうか?
弊社のRentaFiでも4907を使ったレンタルメソッドは組み込んでおり、今後4907対応のNFTに関して取り扱っていく予定です。ただ、4907の方式ではユースケースが限定的であったり、技術的な課題、UXの課題などがあると考えております。ですので、弊社でも別の方式で成立する独自のレンタル規格を現在開発中で、ユースケースにマッチしたレンタル方式の拡充に努めております。
なおNFTにレンタル機能をもたせるイーサリアム改善案「EIP-4907」がトークン規格「ERC-4907」として承認されたことを受け、「RentaFi」では「既存NFTコレクションについては、Wrapped NFTを用いた貸付」と「新規に発行されるNFTやコレクションについては、ラップなしでオリジナルのNFTを貸付」の2通りのレンタルを展開するとしている。
NFTとは
「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」とは、代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。
なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。
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