【取材】LINEやOasys参加、ミシカルゲームズが財団と独自トークン「MYTH」とDAO発表

ミシカルゲームズが財団と独自トークン「MYTH」とDAO発表

ブロックチェーンゲーム開発を行う米ミシカルゲームズ(Mythical Games)が、「ミソス財団(Mythos Foundation)」と「Mythos DAO」の始動を10月6日に発表した。

「ミソス財団」は、ブロックチェーンゲーミングエコシステム「Mythos DAO」を管理するための財団となる。なお同エコシステムでは独自トークン「MYTH」が発行・流通することも明らかになっている。

「MYTH」はweb3にゲームユーティリティやエコシステムのガバナンス促進を与え、ゲーマーや、開発者、発行者、クリエーター達に真の分権化されたエコシステムに参加する機会を与えると説明されている。

「MYTH」は最大供給量が10億トークンで、ERC-20規格だという。管理はミソス財団が行う。 

発表によると同財団の目標は、ゲームエコノミーでユーザーがゲームをプレイして所有するために、革新的なゲームデベロッパーの参入障壁を減らす事だという。そして同財団はゲームを民主化し、プレイヤーやクリエーター達にミソスのエコシステムを通してゲームバリューチェーンに参加できるよう目指していくという。

また「ミソス財団」は、具体的に「クロスチェーンインフラとNFTの転送」、「NFTの進化とゲーム開発者や発行者のゲームエコノミー」、「ゲーミングギルドやギルドコミュニティへの統合と支援」、「Web3の伝統的なeSportsの参加率の成長」、「伝統的なゲーミングプラットフォームと次世代のゲームやゲーマー達を支援する新たな政策を作るためのコラボレーション」の5つに注力していくとのことだ。

なお「ミソス財団」の初期メンバーには、日本からCocone(ココネ)とLINE Blockchain、オアシス(Oasys)が参加している。具体的な初期のエコシステムパートナーメンバーは次のとおりである。

ゲーム開発社とパブリッシャー

Krafton、Ubisoft、Marblex (Netmarble)、Com2uS、CM Games、Post Voyager (Cocone)、Kakao Games、PerBlue、Third Kind Games、Wemade

eSports & Guild

FaZe Clan、Gen.G、Sandbox Gaming、Yield Guild Games、Talon、EVOS

Web3&メタバース

Animoca Brands、Hadean、Klaytn、LINE Blockchain、Oasys

また同財団のアドバイザーには、元サンリオCOOの鳩山玲人氏、Animoca Brandsの会長ヤット・シウ(Yat Siu)氏、 The Chainsmokers & MANTIS VCのアレックス・パル(Alex Pall)氏およびドルウ・タガルト(Drew Taggart)氏、Polygon Studiosの社長のライアン・ワイアット(Ryan Wyatt)氏などが就任した。

ミシカルゲームズのCEOであるジョン・リンデン(John Linden)氏は「ミシカルは常にゲーマーファーストのプラットフォームであり、本日の発表は、私たちのコミュニティがゲーム体験に対するオーナーシップを高めることを保証するための私たちのコミットメントを示すものです。MYTHトークン所有者は、ミソス財団や他の業界パートナーと協力して、すべての人に席を提供するために、ゲームの革命と民主化を続ける原動力となるでしょう。この最初のパートナーグループは、これまで発表された中で最大のゲーム提携の1つであり、Web3におけるゲームのあらゆる側面を変革するのに役立つでしょう。 私たちは、この素晴らしいパートナーグループの一員であることを誇りに思います」とリリースで伝えている。

ミシカルゲームズは、バーバリー(Burbery)などをパートナーに迎えブロックチェーンゲーム「Blankos Block Party」を開発・運営している。なお「Blankos Block Party」は先月、Epic Games Storeで取り扱われることが明らかになった。なお日本は対象外となっている。

Mythicla Games CEOへ取材

あたらしい経済編集部はミシカルゲームズのCEOであるジョン・リンデン(John Linden)氏へ取材を行った。

––LINEブロックチェーンとどのような連携を進めていきたいですか?

相互にバリデーターになっているLINEやOasysは日本で大きなブロックチェーンプロジェクトの2つだと思っており、インターオペラビリティの探求を期待しています。 Oasysは日本のトラディショナルなゲーム会社と、LINEはモバイル中心のカジュアルゲームユーザーが中心で、双方向からのアプローチを目指します。また、LINEはLINE Friends等多くのIPを保有していることも魅力的に感じています。

––Mythosのライバルであり、チームメンバーでもあるOasysとはどのように共存していくのですか?

長期目線で、Oasys、LINE、Klaytn等のプロジェクトとはNFTの新しいスタンダードを構築することを含めたインターオペラビリティを考える上で大事な協業先です。この中で、MythicalとしてAppleやGoogleといったプラットフォーマーたちの規制に対するディスカッションができているという業界ポジションを活かせると考えています。

––日本市場における具体的な戦略についてお聞かせください。

1. インターオペラビリティ
2. 日本IPとメタバースの思想を掲げて活動をする中で、1でインフラの整備を、その上に2でゲーム開発をするIPとのコラボレーションを通して日本市場展開をしたいと考えています。

––web3時代において、ゲームを開発し、配信し、コンテンツを運営し、人気がなくなれば辞めるというプロセスをどのように行うべきでしょうか?

開発:既存の幾つものプロジェクトがそうであるように、既存ゲームにただNFTやトークンをつけるのでは足りず、web3の技術が(他の技術転換期でもそうであったように)ゲームにとってどのような新しい体験をもたらすのかを考える必要があります。

配信:ストアに必要なものやルール、またレーティングシステムの制定。

コンテンツ:コンテンツの周りに発生する経済圏について正しく理解すること。

サービス停止:その後のアセットの管理について

なお、上記はどれもMYTHOS FOUNDATIONの中で議論しながら進めたいトピックです。

参考:Mythical Games
images:iStocks/Ket4up
デザイン:一本

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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