【取材】ビットコイン基盤でスマコン実現目指す、フルグルがDiamond Hands支援

ビットコイン基盤でスマコン実現目指す、フルグルがDiamond Hands支援

ビットコインエコシステムへ投資を行う米国VC「フルグルベンチャーズ(Fulgur Ventures)」 の日本法人「フルグル合同会社」が、ライトニングネットワークのユーザーおよび開発者のコミュニティ「Diamond Hands(ダイヤモンドハンズ)」を支援していくことを10月7日に発表した。

具体的に「フルグル」はRGBプロトコルを利用したプロダクトのオープンソース開発に関して、「Diamond Hands」を支援していくとのことだ。

RGBプロトコルは2017年に考案されたビットコインネットワーク上でスマートコントラクトを実現するためのプロトコルだ。RGBプロトコルは、ビットコインブロックチェーンだけでなく、ライトニングネットワークの機能性も拡張することから、ライトニングネットワーク上での分散型金融サービスの提供を可能にする技術として注目されているとのことだ。

なおライトニングネットワークはビットコインネットワーク上に構築されたペイメントチャネルであり、ビットコインの高速かつ安価な送金を実現するレイヤー2技術である。 なおDiamond Handsは2021年に発足した国内のライトニングネットワークのユーザーおよび開発者のコミュニティだ。

発足時はビットコインフルノードやライトニングのルーティング研究を主目的としていたが、現在ではニュースレターの配信、技術やプロダクトのオープンソース開発、リサーチレポートの作成など、ライトニングネットワークの利用を推し進めるべく幅広い活動を行っている。

またDiamond Handsはフルグルに加え、ビットバンク(bitbank)、ビットフライヤーブロックチェーン(bitFlyer Blockchain)、コインベース(Coinbase)、Nayuta、オープンハウスグループ(Open House Group)、Mimesis Capital、ZEBEDEE、Kraken、ANDOGらが企業スポンサーとして名を連ねている。

フルグル広報の練木氏へ取材

あたらしい経済編集部はフルグル合同会社で広報を務める練木照子氏へ取材を行った。

−−フルグルは、ビットコインを普及していくという点において日本の課題はなんだと考えていますか?

正しい情報、最新情報を入手する難しさだと考えています。ビットコインに関する情報源は、リサーチペーパー、ブログ記事、ニュースレター、書籍、専門/メインストリームメディア、ポッドキャスト、YouTube、Tweetなど豊富にありますが、ほぼ100%英語です。

英語という壁に阻まれて、日本人が日本語で消費できる優良コンテンツが極めて限られています。日本語でビットコインについて検索すると、2017年のバブル時に制作されたままアップデートされていないコンテンツや、権威あるメディアが発信する不正確あるいは一面的な情報に行き着くケースが多々あります。こうした国内外の情報格差が、国内外のビットコインの理解度、普及水準の差の大きな要因だと考えています。

−−またどのようにその課題を解決していこうと考えていますか?

情報格差を縮小すべく、ビットコインの優良コンテンツを集めた教育サイト、ロストイン・ビットコインを今年5月に開設しました。現在は英語コンテンツの邦訳が大半ですが、日本人のニーズに応えるオリジナルコンテンツも増やしていく予定です。

弊社が立ち上げ、運営資金も提供していますが、ビットコイン同様、オープンソースプロジェクトです。コンテンツの提案、翻訳、制作およびサイトの改善は、ビットコインが好きで、日本でのビットコイン普及に貢献したいと願うビットコイナーの皆さまがボランティアで行ってくれています。ありがたい限りです。

弊社としましては、こうした活動を通じて、他の日本人ビットコイナーとつながる機会を提供し、日本のビットコインコミュニティ形成を支援したいとの思いもあります。

参考:フルグル合同会社
images:iStocks/dalebor
デザイン:一本寿和

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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