米デジタル資産取引所EDXM、パクソスと提携しカストディ強化
米国の新興デジタル資産取引所EDXMが、カストディアンとしてブロックチェーンインフラ開発企業パクソス(Paxos)を採用したことを10月5日に発表した。
EDXMはチャールズ・シュワブ(Charles Schwab)、シタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)、フィデリティ・デジタルアセット(Fidelity Digital Assets)などの証券会社や資産運用会社によって今年9月に設立されたデジタル資産取引所である。EDXMはこれらの会社の知見を活かし、高いコンプライアンスと安全性を強みとして、米国の投資家に高速な暗号資産取引を提供することを目指している。
EDXMはパクソスと提携することにより、顧客の取引資産の機関規模での保管やパクソスユーザーに対するEDXMへのアクセス提供などが行えるようになるとのこと。また、パクソスのブロックチェーン技術を活用することでより低コストで高速な取引を実現できるとのことだ。
EDXMのCEOであるジャミル・ナザラリ(Jamil Nazarali)氏は以下のようにコメントしている。
「コンプライアンスとセキュリティがEDXMのサービスの重要な差別化要因であることから、パクソスと提携し、デジタル資産の保管サービスにおけるゴールドスタンダードを当社の投資家に提供できることを嬉しく思います」
パクソスの戦略責任者であるウォルター・ヘザート(Walter Hessert)氏は以下のようにコメントしている。
「パクソスは、いつでも安全に資産を移動できるソリューションを構築することで、金融市場の再定義を試みています。私たちはEDXMとともに、銀行やその他の金融機関が、最も安全な方法で暗号資産市場にアクセスするための道を作り出していきます」
パクソスは米国を拠点とするブロックチェーンのインフラ開発企業である。同社の製品はブロックチェーンを利用した金融システムの基盤となっており、ペイパル(PayPal)、バンクオブアメリカ(Bank of America)、クレディスイス(Credit Suisse)などが採用している。また、カストディアンとしてニューヨーク金融サービス局の認可を受けているほか、米通貨監督庁から条件付き銀行設立免許を取得している。
パクソスはインフラ以外にも暗号資産取引所の運営やステーブルコインの発行など広範に事業を展開しており、同社のこれまでの資金調達額は590億円以上、2021年4月時点で企業評価額は2600億円に達している。
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参考:EDX Markets
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