EU理事会が暗号資産市場の規制法案「MiCA」可決、24年に法制定

EU理事会がMiCA可決

欧州理事会にて暗号資産市場規制法案(MiCA)が、10月5日に可決されたことをThe Blockが報じた。

MiCAは、EU(欧州連合)の暗号資産サービスプロバイダーに向けて包括的な暗号資産市場規制を示す法案である。2020年9月に原案が提出され、その後いくつかの要件を追加し、2022年6月に欧州理事会にて暫定合意に達した。現在立法化が進められており、10月10日の欧州議会での承認を経て、早ければ2024年初頭に法律として制定される。

暫定合意時点でのMiCAの主な内容は以下のとおりである。

暗号資産による環境への影響を明確化すること
ステーブルコインの発行者は発行量と同等の準備金を、一部を預金の形で確保すること
ステーブルコインの発行者はステーブルコインの保有者がいつでも裏付資産と交換できるようにすること
ウォレットプロバイダーは顧客の身元を確認すること
暗号資産サービスプロバイダーは各国当局から認可を得ること

MiCAには外貨建てステーブルコインの取引上限量についての規制も含まれている。この内容は今年9月に一時削除されたものの、その1週間後にステーブルコインが通貨主権を脅かすことを懸念したフランスらによって「ユーロ以外の外貨建てステーブルコインの取引量を1日2億ユーロに制限する」という内容が法案に盛り込まれることとなったとのこと。

この法案が欧州議会で承認された場合、来年初頭にEUのジャーナルにその内容が掲載される予定となっている。

関連ニュース

米国規制委員会トップ、暗号資産やステーブルコイン規制強化の方針

EU議会、暗号資産規制草案からビットコインなどPoW型の禁止を削除

英財務省、ステーブルコイン関連法案を議会提出へ

米商品先物取引委員会(CFTC)の暗号資産監督権を拡大する法案提出

米ブラックロック、欧州でブロックチェーン関連企業ETF発売

参考:The Block
images:iStocks/Rawpixel

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

合わせて読みたい記事

【11/21話題】ビットコイン9万6000ドル突破、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設検討かなど(音声ニュース)

ビットコイン9万6000ドル突破、トランプの政策に期待、トランプ陣営、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設を検討か=報道、アスター、新ロードマップ「Astar Evolution Phase 1.5」発表、ASTRがオプティミズムスーパーチェーン進出へ、オンチェーン分析のArkham、米国で暗号資産の現物取引所立ち上げへ、コインベースウォレットが「USDC Rewards」導入、保有だけでAPY4.7%、韓国最大の野党、暗号資産課税の免除額引き上げの改正案を提出=報道、FTX元幹部ゲイリー・ワン、暗号資産詐欺事件で実刑を免れる、韓国大手の暗号資産取引所Upbit、「ジャスミーコイン(JASMY)」取り扱い、コインベースにミームコイン「Floki(FLOKI)」上場へ、ジェミナイ、フランスで正式にサービス展開、ビットフィネックス証券、エルサルバドルで「トークン化米国債券」提供へ、21シェアーズ、「Ethereum Core ETP」にステーキング機能追加、EVM互換のL1ブロックチェーン「Monad」、テストネットを段階的に公開へ、1SECと丸井グループが資本提携、ブロックチェーン活用の新しいファンエンゲージメントモデル構築で

広告