「マージ」後イーサリアムPoW(ETHW)、コミュニティがフォーク計画発表

イーサリアムPoWがフォーク計画発表

イーサリアムPoW:EthereumPoW(ETHW)のコアコミュニティが、メインネット構築までの計画を9月13日発表した。

イーサリアムPoWは、イーサリアム(Ethereum)メインネットの大型アップデート「マージ(The Merge)」後に残ったPoWチェーンがハードフォークして生まれる可能性のあるブロックチェーンだ。PoWチェーンを存続させようと一部のマイナーらがコミュニティを形成し、プロジェクトの計画を行っている。

発表によるとイーサPoWのコアコミュニティは、同ブロックチェーンのメインネット構築およびハードフォークを「マージ」完了後24時間以内に実行する予定としている。

より正確な時間は実行の1時間前にカウントダウンを行うとのこと。また最終的なコード、バイナリ、構成ファイル、ノード情報、RPC、エクスプローラーなどはカウントダウン終了後に公開するとしている。

イーサPoWのチェーンIDはカウントダウン終了と共に「10001」に切り替えるとのことだが、それにあたり切り替えチェーンが最も長いチェーンであることを確認する為、「マージ」が完了したブロックから2048個の空ブロック生成によるパティング(データを一定の長さに整形するため前後に挿入される無意味なデータ)を追加するとのこと。そして2049個目のブロックからチェーンIDが切り替わり、イーサPoWのトランザクションが載った最初のブロックとして生成が始まるとのことだ。

マージとは

「マージ」とは9月15日頃に予定されているイーサリアムメインネットの大型アップグレードだ。イーサリアムにおけるコンセンサスアルゴリズムをPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)へ変更する為に、イーサリアム2.0のチェーン(ビーコンチェーン)にイーサリアム1.0のチェーン(エグゼキューションチェーン)を移行する計画となっている。

またそれに対し、「マージ」後に残るアップグレードに対応しないイーサリアム1.0のチェーンをハードフォーク(分岐)させて、PoWで稼働するネットワークを保持するプロジェクトが進められており、一部の取引所やマイナーはその計画を支持・サポートする表明も出している。ETHWはPoWチェーンのトークンを指す。

なおイーサリアムの創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、このPoWチェーンのフォークについて「大きな打撃とはならない」と述べており、正統なPoSチェーンへの影響は少ないと見られている。

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参考:イーサPoWツイッター
デザイン:一本寿和
images:iStocks/24K-Production

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。