タイのカシコン銀行とアユタヤ銀行がDeFiプロトコルへ出資
タイ王国の大手銀行であるカシコン銀行(Kasikorn Bank)とアユタヤ銀行(Bank of Ayudhya)の2行が、同国拠点でDeFi(分散型金融)プラットフォームを提供するスタートアップのフォーワード(Forward)へ出資を行った。フォーワードが9月11日発表した。
発表によると両行が出資参加したのはフォーワードのシードラウンドによる資金調達だ。調達額は500万ドル(約7.1億円)となったという。
なおこの資金調達ラウンドを主導したのは、タイのプライムストリートキャピタル(Primestreet Capital)が運用するグローバルVCファンド「RPVAF-1」だ。
その他に前述したカシコン銀行VC部門のビーコンベンチャーキャピタル(Beacon Venture Capital)およびカシコーンエックス(KASIKORN X)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下であるアユタヤ銀行のVC部門のクルングスリ・フィノヴァーテ(Krungsri Finnovate)、そしてラタナコンテクノロジーグループ(Ratanakorn Technology Group)やGBVキャピタル(GBV Capital)、バリーズキャピタル(Varys Capital)が出資参加しているとのことだ。
フォーワードは分散型のデリバティブ取引の新しいプロトコルである「オートメイテッド・ポジション・ヘッジャー(Automated Position Hedger)」を開発しているDeFiプラットフォームである。フォーワードではこのプロトコルにより、ユーザーの長期および短期の無期限の先物注文を即座に一致させるカウンターパーティーとして機能し、それにより指値注文の帳簿を持たず、マーケットメーカーも必要とせず、カウンターパーティリスクもヘッジしているという。
なおフォーワードは今年5月にも資金調達を実施しており、5月時点で企業評価額は5000万ドルであった。また4月には、タイや東南アジアの主要なテクノロジー、ビジネスメディア企業のテックソース(Techsauce)と提携している。
フォーワードの共同創業者兼CEOのチャノン・チャラツティクル(Chanon Charatsuttikul)氏は、「タイがイノベーションとテクノロジーの中心地になる希望があると信じています。新しい才能を支援する準備ができている投資家がいるのです。今回のシードラウンドの終了は、私にとって、チームの潜在能力を最大限に引き出し、組織を成長させ、タイを欧米諸国と同様にイノベーションの国として際立たせるための大きな挑戦の始まりです」と述べている。
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参考:リリース・フォーワード・フォーワード2
デザイン:一本寿和
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