マウントゴックス、弁済に向け債権譲渡禁止期間を発表

マウントゴックス、弁済に向け再生債権譲渡禁止期間を発表

2014年に経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所マウントゴックス(Mt.Gox)が、再生債権者に向けた再生債権譲渡に関する案内を8月31日に公開した。

案内の主な内容は、再生債権の譲渡等禁止基準期間の具体的な日程の公表である。案内によると再生債権者は9月15日から裁判所が許可した期限日(現時点では未定)まで再生債権の譲渡、承継、処分が禁止される。この期間はマウントゴックスが提供する再生債権届出システム内の債権譲渡手続申請機能も利用できなくなる。

なお、譲渡等禁止基準期間中に債権譲渡が行われた場合は、弁済の安全性を保障するために、譲渡人および受取人双方のシステムへのアクセスを停止するとのことだ。そうなった場合、希望する弁済が受けられなくなる可能性や弁済金が東京法務局に供託される可能性があるとのこと。

マウントゴックスは2009年に東京を拠点として設立された暗号資産取引所である。2011年以降複数回ハッキングを受け、大量のビットコインを流出させた結果、2014年に経営破綻している。その後は民事再生法手続きに移行し、2021年6月に再生計画案を提出、同案は債権者による投票を経て可決された。現在は再生計画案をもとに現金およびBTCでの弁済準備が進められている。なお債権者はどちらで受け取るか選択が可能となっている。

マウントゴックスによると、同社は2019年時点で約14万BTCを保有しているという。債権者一人あたりの弁済額は明らかになっていないが、ビットコインの価格が破産当時よりも大幅に上昇しているため、損失額を上回る弁済を受けられる可能性もある。

なお具体的な弁済開始日程は公表されていない。

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参考:マウントゴックス資料2
デザイン:一本寿和
images:iStocks/antoniokhr

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この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。