米国プライベートファンドの運用報告制度に暗号資産項目追加の提案、SECとCFTC

SECとCFTCがプライベートファンドの運用報告制度に暗号資産の項目追加を提案

米国証券取引委員会(SEC)と米国商品先物取引委員会(CFTC)がプライベートファンド向け報告制度「Form PF」の規則改正案を9月1日に公開した。

Form PF」は、規制当局がプライベートファンドの投資状況を把握することで市場の「システミック・リスク」を評価することを目的として、2011年から実施されている機密情報報告制度である。基準を満たすプライベートファンドは毎年投資状況を報告する必要がある。

なお「システミック・リスク」とは、特定の金融機関や市場など1ヵ所で発生した支払い不能等の事象が連鎖的に波及し、金融システム全体を機能不全に陥れてしまうリスクのことだ。 

今回の改正案でSECとCFTCは「システミック・リスク」の評価の精度向上や投資戦略の多様化などに対応すべく、「Form PF」の報告事項をより詳細化する提案を行った。

この提案の中には暗号資産(仮想通貨)にまつわる改正も含まれている。現在の「Form PF」には暗号資産に関連する項目が設置されていない。そのため改正案では、暗号資産を表す言葉(デジタル資産、トークンなど)の定義を明確化し、暗号資産の種類ごとに細分化して報告させることを提案している。

それに伴い、どの程度まで細分化すべきか(たとえばNFTとFTは分けるべきか、ステーブルコインとCBDCは分けるべきかなど)、またどの程度まで情報を報告させるべきかについてコメントを求めている。

コメントの受付は10月11日までとなっている。

関連ニュース

米司法省のバイナンスへの調査実態、CZの関与記録提出も要請か

脱税容疑でマイケルセイラーとマイクロストラテジーを訴訟、米司法長官事務所

米FBI、DeFi投資家とプロトコルへ注意喚起

米SEC、390億円規模の暗号資産ネズミ講詐欺で「Forsage」関係者ら起訴

米SECがコインベースを調査か、証券として登録すべき暗号資産取扱の有無を

参考:Federal Register 
images:iStocks/ablokhin
デザイン:一本寿和

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

広告

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している