アルゼンチンサッカー協会、チリーズ(CHZ)とバイナンスのファントークン二重契約問題に終止符か

アルゼンチンサッカー協会の二重契約問題に終止符か

ファンエンゲージメントプラットフォーム「Socios.com(ソシオスドットコム)」が、アルゼンチンサッカー協会(AFA)との契約更新を8月31日発表した。AFAによる「Socios.com」運営元のブロックチェーン企業チリーズ(Chiliz)と大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)とのファントークンをめぐる二重契約問題が、この新たな契約を締結したことで和解に至ったとみられる。

チリーズとAFAは昨年5月、サッカーアルゼンチン代表公式ファントークン「$ARG」を独占的に提供する契約をし、同トークンを「Chiliz Exchange」で取り扱っていた。

しかし今年1月、AFAはチリーズとの契約期間中にも関わらず、同様の契約をバイナンスと交わしていた。それに対しチリーズはAFAに対し訴訟を起こしていた。

AFAの主張として、AFAはチリーズに対し再三の通知をしたにもかかわらず、チリーズはAFAへの支払いを怠ったとしていた。またアルゼンチンサッカー代表チームのトークンについて十分なプロモーションが行われず価格も低下したとしており、さらにチリーズの代表チームに関するイメージ使用について「いくつかの違反」があったと説明していた。

一方でチリーズは、AFAへの支払いは既に済んでおり債務はないと主張。契約を破棄する条件としてトークン価格は契約条項に記載されていないとし、またイメージの誤用はなかったと反論をしていた。

その後現在まで、バイナンスはAFAのファントークン発行は行っていない状況だった。

なおAFAとチリーズとの契約期間は3年間でバイナンスとは5年間の契約期間だった。

しかし今回チリーズはAFAと2026年までの契約延長を発表。当初3年間だった契約を2年延長して計5年間の契約が締結されたことになった。

チリーズ創業者兼CEOのアレクサンドル・ドレイファス(Alexandre Dreyfus)氏は「AFAがファントークンのパートナーシップをさらに拡大することを目的とした契約の継続を約束したことは、アルゼンチンのファンにとって素晴らしいニュースです。

戦略的パートナーとして、我々はAFAと継続的に協力し、ファンが$ARGファントークンを通して関与し、報酬を得るための新しい方法を作成します。今年のFIFAワールドカップを皮切りに、あらゆる可能性が広がっており、Socios.comですべてのアルゼンチンファンのための活気ある、つながったコミュニティを構築することを楽しみにしています」とコメントしている。

関連ニュース

チリーズの「Socios. com」がアルゼンチンサッカー協会を提訴、バイナンスとの契約で=報道

アルゼンチンサッカー協会がファントークンで二重契約か、ソシオスに次いでバイナンスと提携

国内初、DMM Bitcoinがチリーズ(CHZ)取扱いへ、アバランチ(AVAX)も予定

チリーズ(CHZ)のソシオスドットコム、イタリアで暗号資産ライセンス取得

チリーズ(CHZ)、FCバルセロナ子会社の株式24.5%取得

参考:チリーズ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Abscent84・SidorovStock

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【11/21話題】ビットコイン9万6000ドル突破、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設検討かなど(音声ニュース)

ビットコイン9万6000ドル突破、トランプの政策に期待、トランプ陣営、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設を検討か=報道、アスター、新ロードマップ「Astar Evolution Phase 1.5」発表、ASTRがオプティミズムスーパーチェーン進出へ、オンチェーン分析のArkham、米国で暗号資産の現物取引所立ち上げへ、コインベースウォレットが「USDC Rewards」導入、保有だけでAPY4.7%、韓国最大の野党、暗号資産課税の免除額引き上げの改正案を提出=報道、FTX元幹部ゲイリー・ワン、暗号資産詐欺事件で実刑を免れる、韓国大手の暗号資産取引所Upbit、「ジャスミーコイン(JASMY)」取り扱い、コインベースにミームコイン「Floki(FLOKI)」上場へ、ジェミナイ、フランスで正式にサービス展開、ビットフィネックス証券、エルサルバドルで「トークン化米国債券」提供へ、21シェアーズ、「Ethereum Core ETP」にステーキング機能追加、EVM互換のL1ブロックチェーン「Monad」、テストネットを段階的に公開へ、1SECと丸井グループが資本提携、ブロックチェーン活用の新しいファンエンゲージメントモデル構築で

広告