米FBI、DeFi投資家とプロトコルへ注意喚起

米FBI、DeFi投資家とプロトコルへ注意喚起

米国連邦捜査局(FBI)が、スマートコントラクトの脆弱性をついた犯罪が増加していることを受け、DeFi(分散型金融)の投資家とプロトコル注意喚起を促す文書を8月30日に公開した。

サイバー犯罪者は、DeFiプロトコルが管理するスマートコントラクトの脆弱性を突いて暗号資産(仮想通貨)を盗み、投資家に損失を与えているとしている。なおブロックチェーン分析企業チェイナリシス(Chainalysis)によれば、2022年1月から3月にかけて、サイバー犯罪者は13億ドル(約1,600億円)の暗号資産を盗み、そのほぼ97%がDeFiプラットフォームから盗まれているとのことだ。件数は、2021年の72%、2020年の30%から増加しているという。さらにFBIはサイバー犯罪者のフラッシュローン攻撃、ブリッジの脆弱性に対する攻撃、スリッページリスクへの狙いなども観測しているとのことだ。

このような状況を踏まえ、FBIはDeFi投資家に予防策として「投資前にDeFiプラットフォーム、プロトコル、スマートコントラクトを調査し、DeFi投資に伴う特定のリスクを認識し、さらには独立監査人によるコード監査の実施を確認してください」と助言した。

またFBIはDeFiプロトコルに対して「脆弱性をより迅速に特定し、疑わしい活動の指標に対応するために、リアルタイム分析、監視、コードの厳格なテストを導入すること。スマートコントラクトの悪用、脆弱性、その他の疑わしい行為が検出された場合に投資家に警告することを含む、インシデント対応計画を策定し、実施すること」を要求した。

なおNFTに関する犯罪について、ブロックチェーン調査会社の英エリプティック(Elliptic)が8月24日に発表したところによると、今年7月までの1年間で1億ドル(約136億円)以上が盗まれている状況のようだ。

参考:FBI
デザイン:一本寿和
images:iStocks/domoyega

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

合わせて読みたい記事

【11/1話題】イミュータブルがSECからウェルズ通知、アルゼンチンLABITCONFがサトシの正体明かすと告知など(音声ニュース)

イミュータブルが米SECからウェルズ通知受ける、「IMX」証券性の疑いか、アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知、フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開、Crypto[.]comがSEC登録ブローカーディーラー買収、米国ユーザーに株式取引機会提供へ、セキュリタイズ、トークン化資産の管理機能統合の「Securitize Fund Services」立ち上げ、米マイクロストラテジー、「21/21プラン」で420億ドル調達を計画、ビットコイン購入資金で、BIS、中国主導の「中銀デジタル通貨」プロジェクトから離脱、Sui対応の携帯型ゲーム機「SuiPlay0X1」、格闘ゲーム『サムライスピリッツR』リリースへ、ヴィタリック、イーサリアム最後のチェックポイント「ザ・スプラージ」解説、バイナンス共同創業者、「Web3が身近な社会実現目指す」と語る。伝統的金融や規制当局と協力の姿勢も=BBW

広告

アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知(有識者コメントあり)

アルゼンチンで11月1日から開催されるビットコイン(Bitcoin)のカンファレンス「LABITCONF(Latin American Bitcoin & Blockchain Conference)」にて、ビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトが自身の正体を明らかにすると、同カンファレンスの公式Xよりプレスリリースが出された