【取材】Gaudiyが9億円追加調達、大手エンタメ企業や金融機関ら参加

Gaudiyが9億円追加調達、大手エンタメ企業や金融機関ら参加

ガウディ(Gaudiy)が、今年5月に実施したシリーズBラウンド・1stクローズの25億円の資金調達に続き、9億円の第三者割当増資の実施を8月30日に発表した。この追加調達により、シリーズBラウンドの調達額は総額34億円となった。ソニー・ミュージックエンタテインメント、三菱UFJイノベーション・パートナーズ、サンリオ、みずほキャピタルが投資家として参加した。

ガウディは「Gaudiy Fanlink」などのサービスを提供している。「Gaudiy Fanlink」はNFTやDID(分散型ID)などのブロックチェーン技術を活用して、ファンの熱量を最大化するためのweb3ファンプラットフォームだ。

今回の調達を通じて、エンターテインメント企業と金融機関との連携を強化していくとのことだ。また調達資金は、国内外での人材採用、本格的なグローバル展開、コミュニティサービスの拡充、web3メタバース事業の開発に活用していくという。

ソニー・ミュージックエンタテインメントのコーポレートビジネスマーケティンググループ 本部長である佐野弘明氏は次のようにコメントしている。

「音楽やエンタテインメントはいつの時代も新しいテクノロジーによって、変化、進化を余儀なくされてきました。これからエンタメ×Web3という領域で、現状のビジネスモデルが過去のものになるような、より大きな変革を迎えることになるでしょう。Gaudiyと出会ったことで確実に未来への解像度が上がりました。この予感を確かな未来として、Gaudiyと共に実現していけること、楽しみにしています」

三菱UFJイノベーション・パートナーズ Chief Investment Officer 佐野 尚志氏は次のようにコメントしている。

「Web3の到来を見据え、金融グループとしてもこの世界の発展にどのように貢献できるのか、日々様々な議論を進めています。石川さん、Gaudiyのみなさんは、エンターテインメントという切り口で、このWeb3のテクノロジーからソリューションまで、顧客や市場のニーズを満たすことのできる稀有なスタートアップです。三菱UFJフィナンシャル・グループのCVCとして、グループの持つネットワークや安心・安全な取引に関する知見を活かし、エンタメ金融における可能性をGaudiy社と共に追求していきたいと考えています」

そしてガウディは、資金調達のリリースに合わせて特設サイト「Change The Game」を更新し、新たなイベントを公開した。イベントはGaudiyの組織理解を深めるため、有識者らと対談する形式となっているようだ。

なお追加調達の発表に合わせ、ガウディはサンリオとweb3領域の協業プロジェクトを開始したことも発表した。具体的にはサンリオが保有するキャラクター資産を活用したコミュニティサービスの展開やメタバース化を進めていくとのこと。また8月30日にGaudiy代表取締役の石川裕也氏が、ガンダムメタバース技術顧問にも就任したことも発表している。

ガウディ代表取締役の石川裕也氏へ取材

「あたらしい経済」編集部は、ガウディ代表取締役の石川裕也氏へ取材を行った。

––web3領域では、金融機関から具体的にどのようなバックアップを得たいと考えていますか?

1つ目は、次のラウンドでの大型調達を見据えてです。
2つ目は、エンタメ金融の実現。Axieとフィリピン銀行のように、エンタメを起点としたDeFi、マイクロファイナンス、STOなどを検討中です。

––Gaudiyの今後の具体的な戦略について説明していただけますでしょうか?

ガンダムメタバースやサンリオ、それ以外も複数の未発表な大きなIPプロジェクトが控えているので、それをまずグローバル規模でグロースさせることです。

あとは海外BCG向け事業者にむけたFanklinkのサービス展開、メタバーススタジオの設立、事業投資などが主な次の展開です。調達したばかりですが、いち早くシリーズCでユニコーン企業になることもサブ目標で掲げています。

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。