Compoundが新バージョンをリリース
DeFi(分散型金融)レンディングプラットフォーム「コンパウンド(Compound)」が、新バージョン「コンパウンドⅢ(Compound III)」のリリースを8月26日発表した。
この新バージョンは「コメット(Comet)」と呼ばれ、ラップドビットコイン(wBTC)やチェーンリンク(Chainlink)、ユニスワップ(Uniswap)、コンパウンドのネイティブトークンを担保に、USDコイン(USDC)を借りられるようにするプロトコルである。
今回発表された新バージョンは、コンパウンドのDAO(分散型自律組織)内で投票によって承認されてリリースされた。前バージョン「コンパウンド(Compound II)」の保有資産の約2%に相当する約1億ドルが「コメット」で担保として供給できる額の上限として限定公開されている。
「コンパウンド」によると、以前のバージョンではユーザーがプールからどんな資産でも借りることができるシステムを利用したモデルであったため、1つの不良債権だけでプロトコルから他の資産を流出させる可能性があるリスクの高いモデルになっていた。しかし「コメット」では、ユーザーごとに担保プールが分かれており、清算時以外他のユーザーによって決して引き出されることがなく、1つの資産がゼロに急落しても、プロトコルの他のユーザーの資産にはリスクがないような設計になっているという。
またプロトコルの価格取得オラクルとしてチェーンリンク(Chainlink)を採用することで、システムのセキュリティとスケーラビリティの強化を図っているとのこと。またガバナンスのスマートコントラクトを簡素化することで、ガバナンスへの参加者が増加することも考えられているという。
コンパウンドは最もフォークされているブロックチェーンプロトコルの1つであり、コンパウンドに利用されているコードに、ほとんど手を加えず丸ごとコピーしたようなプロジェクトも多く存在した。「コメット」では、これに対しても取り締まりを行っており、プロトコルのフォークを作成するためにはコミュニティの承認が必要となる。これはコードが悪用されないようにすることを目的としている。
コンパウンド創業者のロバート・レシュナー(Robert Leshner)氏は、「コンパウンドIIIは、信じられないほどのアップグレードです。最も効果的な借入ツールとなるように設計されています」と自身のツイッターで述べている。
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参考:コンパウンド
デザイン:一本寿和
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