web3事業者向けカストディ提供のSafeheronが約9.6億円調達、メタマスクと連携も

Safeheronが約9.6億円調達、メタマスクと連携も

web3事業者向けのセルフカストディソリューション提供のセーフヘロン(Safeheron)が、プレシリーズAラウンドで700万ドル(約9.6億円)の資金調達を行なったことを8月19日に発表した。

また同社は同日に暗号資産(仮想通貨)ウォレットのメタマスク(Metamask)との戦略的パートナーシップを締結も明らかにした。

プレシリーズAラウンドは、Yunqi PartnersとWeb3Visionが共同主導し、プライムブロックベンチャーズ(PrimeBlock Ventures)、コボ・ベンチャーズ(Cobo Ventures)、M77 Ventures、シャタキャピタル(ShataCapital)、クリプトス(Kryptos)、アンタルファ・ベンチャーズ(Antalpha Ventures)、ウォータードリップキャピタル(Waterdrip Capital)、7O’CLOCK CAPITAL、セコイア・キャピタル・チャイナ(Sequoia Capital China)の元共同創設者ファン・チャン(Fan Zhang)氏が参加した。

またメタマスクとのパートナーシップの内容としては、MetaMask Snaps、MetaMaskのブラウザ拡張、MetaMaskモバイルなどのデバイスやアプリケーションを通じてエンタープライズクラスのMPCマルチシグネチャセキュリティソリューションを統合していくという。

セーフヘロンのCEO兼創業者のウェイド・ワン(Wade Wang)氏は、次のようにコメントしている。

「私たちは今日までアジアで初めて、私たちの根本的に複雑なオープンソースのゼロトラストのMPC-TEEセキュリティソリューションを社内で開発するために何年も費やしてきました。そして私たちは初めてMPCSnap、MetaMask Snap、Keystoneハードウェアウォレットで、QRコードを通してMetaMaskトランザクションに署名できるようになりました。私たちはユーザーがトランザクションを検証できるようにするための安全なMPCマルチシグネチャテクノロジーを適用できることに嬉しく思っています。また将来的には拡張機能やモバイルアプリのサポートも視野に入れています。そして調達した資金を活用して、今年当社の技術とサービスをより多くのクライアントに拡大できるようにしていきます」

メタマスクのシニアプロダクトマネージャであるアレックス・ジュピター(Alex Jupiter)氏は、次のようにコメントしている。

「ブロックチェーン上のユーザーとビジネスのセキュリティにとって重要な次のステップは、多要素認証に簡単にアクセスできることです。セーフヘロンのMPC技術は、KeystoneハードウェアウォレットとMetaMask Snapsと組み合わせることで、この分野で非常にエキサイティングなプロジェクトとなります。MetaMask Snapsは、あらゆるチームがメタマスクの機能を拡張する方法を提供します。セーフヘロンと提携し、メタマスクユーザーに新たなカストディーツール導入を試せることを嬉しく思います。

セーフヘロンは、ウェイド・ワン(Wade Wang)氏、マックス・へ(Max He)氏、ブルース・ワン(Bruce Wang)氏らが2019年にシンガポール拠点に設立された企業。

同社のシステムはオープンソース化されており、ソースコードを容易に監査できるようにしているという。

参考:Safeheron
images:iStocks/pgraphis
デザイン:一本寿和

 

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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