アスター(ASTR)がアルケミーと提携、エコシステム開発者支援

アスターとアルケミーが提携

日本発のパブリックブロックチェーンAstar Network(アスターネットワーク)が、web3インフラ開発のAlchemy(アルケミー)との提携を8月3日発表した。

今回の提携によりアルケミーのAPIやプロダクトインフラストラクチャがアスターへ提供されるという。これによりアスターエコシステムの開発者はdApps(分散型アプリケーション)の作成環境がより良いものになるとのことだ。

アルケミーは、開発者がブロックチェーンアプリケーションを簡単かつ効率的に開発するための必要なツールを提供し、AWSがインターネット業界にもたらしたサービスをブロックチェーン業界にもたらすことを目標としている企業だ。

今までにEthereum(イーサリアム)やPolygon(ポリゴン)、Arbitrum(アービトラム)、Optimism(オプティミズム)などといったL2を含めたチェーンの他、これら以外のEVM(イーサリアムバーチャルマシン)互換の無いsolana(ソラナ)、Flow(フロウ)チェーンのサポートにも成功しているとのことだ。

アルケミーは昨年10月末に、シリーズCラウンドにてアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)主導で約280億円(2.5億ドル)を調達している。続けて今年2月にはシリーズC1ラウンドで約240億円(2億ドル)の資金調達を行ない、アルケミーの企業評価額は約1.3兆円(102億ドル)になっている。なおアルケミーが昨年12月にWeb3領域活性化のために立ち上げたベンチャーファンド「アルケミー・ベンチャーズ(Alchemy Ventures)」は今年1月に「Astar Network」へ出資を行っていた。

アスターネットワークの創設者である渡辺創太氏は今回の発表に際し「開発者のエコシステムをサポートすることは、アスターの原動力です。アルケミーと提携し、アスターのブロックチェーンエンジンをAstarの開発者が利用できるようにすることで、開発者コミュニティにさらなるイノベーションと成長をもたらします」とコメントしている。

アスターネットワークとは?

アスターネットワークは、異なるブロックチェーンの相互接続(インターオペラビリティ)を目指すプロジェクトであるポルカドットのパラチェーンとして昨年12月に接続し、1月17日にメインネットローンチしたブロックチェーンだ。

ポルカドットは中心的な機能を果たすリレーチェーンと、そのリレーチェーンに接続される個別のブロックチェーンであるパラチェーンによって構成されている。ポルカドットリレーチェーンでは、スマートコントラクトをサポートしていない為、アスターはポルカドットへEVM(イーサリアムバーチャルマシン)やWASM(ウェブアッセンブリ)を提供することで、複数のブロックチェーンをサポートするマルチチェーンスマートコントラクトハブの役割を担っている。

またアスターネットワークでは開発者支援の為に「dApp staking」の仕組みを有している。「アスターネットワーク」と統合したdAppやインフラストラクチャに対して、ユーザーが同ネットワークのネイティブトークン「ASTR」をステーキングすることで、開発者とユーザーが報酬を得られる仕組みとなっている。ユーザーは「dApp Staking」でdAppに「ASTR」をステーキングする事で、報酬を受取りながらも、開発者を支援することが可能となる。

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参考:アスター
デザイン:一本寿和

images:iStocks/Myvector

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。