【取材】日本企業のNFT開発や提供をサポートへ、KyuzanとKLKTN提携

日本企業のNFT開発や提供をサポートへ、KyuzanとKLKTN提携

国内ブロックチェーン開発企業Kyuzanが、NFTプラットフォーム「コレクション(Kollektion)」提供のKLKTNと、業務提携したことを8月3日に発表した。

両社はKyuzanのNFT開発に関する技術力とKLKTNの国際的なマーケティング力を掛け合わせることで、NFTの開発・提供に興味関心のある日本の企業向けに、様々なソリューションを提供していくという。

KyuzanはNFTゲーム「エグリプト(EGGRYPTO)」やNFTプラットフォーム「ミント(Mint)」を開発・運営している。また過去にはライゾマティクス(Rhizomatiks)のNFTマーケットプレイスの「NFT-Experiment」にてPerfumeのNFTミントを担った実績もある。

KLKTNはライフネット生命保険の元取締役会長の岩瀬大輔氏が共同創業した企業で、「コレクション」にはダッパーラボ(DapperLabs)開発のブロックチェーン「フロウ(Flow)」が採用されている。

最近のKLKTNの取り組みとしては、音楽バンド「ゲスの極み乙女」が結成10周年を記念したNFTプロジェクト「Maru(丸)」などを手掛けている。

追記:8月8日15時00分

Kyuzan代表取締役の高橋卓巳氏へ取材

「あたらしい経済」編集部は、Kyuzan代表取締役の高橋卓巳氏へ取材を行った。

−−具体的に現在NFTの開発・提供に興味関心ある日本企業は、どの業界のものでしょうか?

アートとエンターテインメントがメインです。 アートよりのプロジェクトから、ユーティリティを持つエンターテインメント分野での活用に興味を持つ企業が増えてきています。

エンターテインメント領域でも多いのは、ゲーム >> ファッション > 音楽 > 芸能 > 映画・映像 > 出版の順番になっています。

1つ1つのプロジェクトの大きさという意味でもゲームが一番動きが顕著です。

−−また具体的にどのようなソリューションを提供していくのでしょうか?

事業者のNFT活用を企画・開発・運用・マーケティングまでトータルで支援するソリューションを提供する予定です。

これまでKyuzanは、Mintという事業者向けのNFT発行ツールを提供しながら、主に技術・開発面で事業者のNFT活用を支援してきました。

その中で、事業者の多くは企画や、マーケティングにおける支援も必要としていることが分かりました。 今後は、グローバルでの実績を持つKLKTNと提携することで、開発面だけではなく、企画からマーケティングまで一貫して支援可能なソリューションを提供していきたいと思います。

−−今はどのブロックチェーンでNFTを開発し、提供するのが良いとお考えですか?

未だに、多くのNFTプロジェクトがEthereumを採用しています。特に独自のユーティリティを提供する予定がなければEthereumを最初に検討することになると思います。

一方で、gasや取引速度などのユーザビリティの観点から見たときに特にゲームなどのユーティリティを実装する場合にEthereumではなく、L2や他のプロトコルの選択肢はかなり増えてきました。

開発がしっかり出来て、ユーザーがNFTの取引もしやすいという観点では、OpenSeaにも採用されているPolygonやSolanaが次の選択肢として有力になります。

また、エコシステムが急成長しているFlow, Avalanche, Astarなども有力な選択肢になってきていますが、特に日本ユーザーはこれらのトークンにアクセスしづらいという観点から、取引所での上場や、Tofu NFTなどプロトコルをサポートするマーケットプレイスの成長がきっかけとなりさらに多く採用されると思います。

 

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。