米SEC、390億円規模の暗号資産ネズミ講詐欺で「Forsage」関係者ら起訴

米SEC、390億円規模の暗号資産ネズミ講詐欺で関係者ら起訴

SEC(米証券取引委員会)が約3億ドル規模のネズミ講詐欺の疑いで、投資プロジェクト「フォーセージ(Forsage)」に関連する11人を起訴したことを8月1日に発表した。

起訴されたのは、ロシア、グルジア共和国、インドネシアに居住していたことが確認されているフォーセージの創設者4人と、ウェブサイトやソーシャルメディア・プラットフォームでフォーセージのプロモーションのために雇った米国在住のプロモーター3人、および少なくとも5つの州で米国で活動していたこのスキームの最大の宣伝グループであるクリプトクルセイダーズ(Crypto Crusaders)のメンバー数名だという。

フォーセージの詐欺内容

SECの訴状によれば、ウラジミール・オコトニコフ(Vladimir Okhotnikov)氏、ローラ・フェラーリ(Lola Ferrari)氏、ミハイル・セルゲイ(Mikhail Sergeev)、セルゲイ・マスラコフ(Sergey Maslakov)氏が「Forsage.io」というウェブサイトを立ち上げたのが2020年1月とのこと。

そしてフォーセージが、個人投資家がイーサリアム(Ethereum)、トロン(Tron)、バイナンス(Binance)のスマートコントラクトを介して取引を行えるプロジェクトだと謳っていたとのこと。投資家は他の人をこのスキームに勧誘することで報酬を得られる仕組みだった。

しかしフォーセージは2年以上にわたり、典型的なねずみ講詐欺の構造で、新しい投資家からの資産を早い段階で投資した投資家への支払いに使用したとされている。

なお2020年9月にフィリピン証券取引委員会、2021年3月にモンタナ州証券保険委員会は、フォーセージに対して詐欺行為として営業停止処分を言い渡したにもかかわらず、被告らは複数のYouTube動画などで当局の主張を否定し、プロジェクトの宣伝を続けたとのことだ。

司法関係者の見解

SECの暗号資産(Crypto Assets)とサイバーユニット(Cyber Unit)のチーフ代理であるカロリン・ウェルシャンズ(Caroline Welshhans)氏は次のようにコメントしている。 「訴状の主張のように、フォーセージは投資家に積極的に販売された大規模な詐欺的マルチ商法です。詐欺師がスマートコントラクトやブロックチェーンにスキームを謳っていても、連邦証券法を回避することはできません」 

なお被告人のうち2名は容疑を認めることも否定することもなく和解し、今後、起訴された条項の違反やその他の特定の行為を永久に禁止されることに同意したとのことだ。

参考:SEC
images:iStocks/ArtemisDiana
デザイン:設楽悠介

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。