NFTパスポート「Quadrata」、イーサリアムでメインネットローンチ

ブロックチェーン上に個人を証明する「NFTパスポート」ローンチ

ブロックチェーン上にKYC(本人確認)とAML(マネーロンダリング対策)等のステータスを証明できるNFT発行サービス「クアドラタパスポート(Quadrata Passport)」がイーサリアムメインネット上で公開された。

「クアドラタパスポート」は、パブリックブロックチェーン上の分散型アプリケーション(Dapps)に対してコンプライアンスと身分証明を提供することを目指す企業であるクアドラタによって開発されたサービスだ。

ユーザーは「クアドラタパスポート」を通して身分証明書をウォレットと連携することで、トークン規格ERC-1155による「譲渡ができないよう設計されたNFTパスポート」の発行ができるとのこと。なおERC-721がひとつのトークンIDに対してひとつのアセットを扱う規格に対して、ERC-1155ではひとつのトークンIDに対して複数のアセットが扱える規格となっている。

この「NFTパスポート」をDapps(分散型アプリケーション)に導入することで、そのユーザーが「クアドラタパスポート」によって発行されるパスポートを所有しているかどうかや、ユーザーのKYC/AMLステータスや国籍、ユーザーが複数のアドレスを所持しているかどうか、などが確認できるとのこと。将来的にはユーザーの信用評価や適格投資家であることも確認できるようになるようだ。

現在「クアドラタパスポート」はイーサリアムメインネットのみのサポートとなっており、他のチェーンで発行することはできない。ただし2022年の第3四半期にはポリゴン(Polygon)での発行・サポートを開始すると発表されており、今後もマルチチェーン展開されることも予定されている。

今回の発表の中で、クアドラタの共同創設者兼CEOであるファブリス・チェン(Fabrice Cheng)氏は「メインネットの立ち上げは、今年にDeFi・NFT・メタバース・ゲームなどのユースケースが増加したことに続き、クアドラタのブロックチェーン身分証明が参入することを意味します」と語っている。

今回のサービスローンチを記念して、クアドラタはNFTの懸賞を行っている。Mutant ApeやDoodlesなどの人気NFTを8週間にわたり抽選でプレゼントするイベントで、参加するには今回の「NFTパスポート」を発行する必要があるとのこと。

なおクアドラタはブロックチェーンベースのテクノロジーの開発企業であるスプリングラボ(SpringLabs)からスピンオフした企業であり、ドラゴンフライキャピタル(DragonFly Capital)が主導するシードラウンドにて750万ドルの資金調達を完了したことを7月14日に発表している。

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参考:Quadrata
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Sefa-kart

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。