中央アフリカ共和国の「サンゴコイン」、買い手ほとんどつかず

中央アフリカ共和国の「サンゴコイン」販売開始

中央アフリカ共和国初の独自暗号資産(仮想通貨)であるサンゴコイン(SANGO Coin)の販売は、プロジェクトの透明性や業界の低迷に関する疑問の中スタートし、発売後数時間で目標のわずか5%しか購入されないというスロースタートとなった。

世界最貧国の一つである中央アフリカ共和国(CAR)は、4月にアフリカで初めてビットコインを法定通貨とし、多くの暗号通貨専門家を困惑させており、国際通貨基金(IMF)が、「アフリカの課題に対する『万能薬』ではない。」と警告をしている。

CAR政府は、このデジタルコインのプロジェクトが、荒廃した鉱物資源の豊富なこの国をより良い未来へと飛躍させるだろうと述べている。また、暗号資産の価格が今年急落しているにもかかわらず、投資サイトによると、今回の暗号資産の販売で今後1年間に10億ドル近くを調達することを目標としている。

最初の2100万ドルのオファーのうち、月曜日の17:00GMTに販売開始後、火曜日の11:15(GMT)までに約109万ドルが販売された。

暗号資産投資会社のソルライズ(Solrise)の財務戦略責任者ジョセフ・エドワード(Joseph Edwards)氏は「暗号資産プロジェクトが初期発行を売り切れないのは良くない兆候だ」と述べた。

コインの全体像とプロジェクトの意図が不明瞭な構造のため、正確に読み取ることは困難である。販売した後にどの取引所に上場されるのか、収益は何に使われるのか、といった詳細は不明なままだ。また、CARの公式通貨は依然として中央アフリカフランのままである。

また、暗号資産業界の別の人物は、サンゴコインには、多くの暗号資産愛好家が利点の1つとみなす、国の関与がないという点が欠点であるという。 サンゴコインは、ビットコインやUSDTを含む暗号通貨で最低500ドルから購入することができるよう予定されていた。しかし、これを100ドルから購入できるように改定している。

一方で、サンゴコインを購入した投資家は、その見通しについて熱狂的な見方をしており、文字通り政府によってコントロールされるものを作っていると匿名の女性が述べた。

また、飲食物を輸入している35歳のカメルーン人、ミシェル・ムナ(Michel Muna)氏は、「サンゴは天然資源の可能性に支えられている 」と語っており、CARが鉱物資源の「トークン化」を公約していることについても言及している。 同氏は524ドルのサンゴコインを購入しており、テレグラムのメッセージで「サンゴはアフリカ大陸の台頭の始まりだ」と発言している。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Central African Republic’s digital coin finds few buyers By Rachel Savage
翻訳:田村聖次(あたらしい経済)
images:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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