航空データをブロックチェーンに、レクシスネクシスがチェインリンク活用

航空データをブロックチェーンに、レクシスネクシスがチェインリンク活用

大手リサーチデータプロバイダーのレクシスネクシス(LexisNexis Legal & Professional)が、チェインリンクのノードを通じてフライト追跡データを提供していくことを6月29日に発表した。

レクシスネクシスは、チェーンリンクのオラクルノードインフラと、同社の航空分析部門であるシリウム(Cirium)提供のフライトステータスAPI(Flight Status API)を使って、同社の独自フライトデータをスマートコントラクトで利用できるようにしていくとのこと。

なおフライトステータスAPIは出発の約3日前から到着の約7日後まで、出発時刻、到着時刻、遅延、欠航などのフライト情報を提供するものだという。

具体的に、レクシスネクシスは世界中の定期便のフライト情報データをオンチェーン化することで、航空保険、サプライチェーン管理、リスク評価など、web3のエコシステムに新たな可能性をもたらしていくという。

初期のオラクル実装はアバランチ(Avalanche)で開始し、今後、対応ネットワークを増やしていく予定だ。

レクシスネクシスのグローバル最高技術責任者ジェフ・ライヒル(Jeff Reihl)氏は、次のようにコメントしている。

「レクシスネクシスはチェインリンクノードを使用して、高品質の飛行追跡データを超信頼かつ暗号的に安全な方法でweb3エコシステムに提供しています。チェインリンクを通じてこの重要な航空データをオンチェーンにすることで、レクシスネクシスはスマートコントラクトのイノベーションを加速し、ブロックチェーンベースの特殊保険ソリューションの採用拡大を支援しています」

チェーンリンク・ラボのマネージングディレクターであるウィリアム・ハーケルラス(William Herkelrath)氏は、次のようにコメントしている。

「私たちは、レクシスネクシスが新しいハイブリッドスマートコントラクトの使用例を解放し、業界がブロックチェーンのイノベーションを受け入れるのを支援できることに興奮しています。チェーンリンク・ネットワークを使用してレクシスネクシスのフライトデータをオンチェーン化することで、過去数年間に生じたサプライチェーンの非効率性を改善し、革新的なパラメトリック保険商品へのアクセスをより確実にします」

ちなみにパラメトリック保険とは、損害と因果関係のある指標が契約時の条件を満たした際に、あらかじめ決められていた保険金が支払われる仕組みの保険である。

なお米インシュアテック企業のレモネード(Lemonade)が、 アフリカの農家を気候変動から保護することを目的としたDAO(自律分散型組織)「レモネード・クリプト・クライメイト・コアリション(Lemonade Crypto Climate Coalition)」を3月に設立し、ブロックチェーンを活用したパラメトリック保険の提供に向けて動いている。

このDAOにもチェインリンクとアバランチは参加している。

参考:レクシスネクシス
images:iStocks/XtockImages
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。