クリプトスペルズが「TCG-verse」へ、「Oasys」のL2に独自チェーン開発

クリプトスペルズが独自ブロックチェーン公開

ブロックチェーンゲーム「クリプトスペルズ」など開発するCryptoGamesが、独自ブロックチェーン「TCG-verse」の提供を開始したことが分かった。

「TCG-verse」はゲーム特化のブロックチェーン「オアシス(Oasys)」のレイヤー2にあたるブロックチェーンとのことだ。

「オアシス」はゲームに特化したEVM(イーサリアムバーチャルマシン)互換のパブリックブロックチェーンだ。「オアシス」はレイヤー1の「Hub-Layer(ハブ・レイヤー)」と レイヤー2の「Verse-Layer(バース・レイヤー)」技術を組み合わせた設計になっており、PoS(プルーフオブステーク)をコンセンサスアルゴリズムを採用している。今回の「TCG-verse」の他に、ブロックチェーンゲーム「MyCryptoHeroes」が載る「MCH-verse」が「オアシス」のレイヤー2としてある。

発表によると、今まで「クリプトスペルズ」ではイーサリアム(Ethereum)を採用していたが、遅い取引や高い取引手数料などでゲーム体験が損なわれるという課題があったとしている。

その解決策として、ゲーム内の取引をブロックチェーン上ではなく自社のサーバ内で行うオフチェーンに移行したとのこと。しかしオフチェーン移行に伴い、ゲーム内のユーザーの活動が外部に伝わらなくなり、ブロックチェーン上での存在感を示すことができないという新たな課題が生じたという。

今回「TCG-verse」を作成したことにより、これら課題に対応したとのことだ。

なお「TCG-verse 」上のNFT移動に伴うトランザクション手数料は、クリプトゲームズが負担するため、ユーザーはトランザクション手数料を支払う必要がないとのこと。ただし、ゲーム内で使用するカードを「TCG-verse」以外のチェーンに転送する費用や「ギルドストック」の引き出し手数料などは従来通りユーザー負担になるとのことだ。

なおクリプトゲームズは6月27日に日本発のパブリックブロックチェーンAstar Network(アスターネットワーク)が設立した「Astar Japan Lab(アスタージャパンラボ)」に一般会員として入会したことも発表している。

NFTとは

「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」とは、代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。

なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/msan10

この記事の著者・インタビューイ

呉心怡

「あたらしい経済」編集部 中国・浙江省出身の留学生。東京女子大学 人文学科に在学中。 文章を書くことが好き。中国語、英語、日本語の3か国語を話す。あたらしい経済では持ち前の語学力を活かし、ニュース記事を執筆。ブロックチェーンや経済分野については勉強中。

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