【取材】分散型金融Cega、メインネットローンチへ

分散型金融Cega、メインネットローンチへ

日本人起業家が開発する、分散型金融プロトコルのセガファイナンス(Cega Finance:通称セガ) が、ソラナブロックチェーン上でメインネットローンチしたことが6月23日に分かった。

セガは仕組み債を扱う初の分散型金融(DeFi)プロトコルとして、元本を保護しつつ金利を生み出す投資戦略を持つ投資家へスマートコントラクトを提供していく。セガは市場の崩壊に耐えうる価格保護機能と利回りを実現する仕組みを構築するべく、独自の数理モデル開発も行なっているとのことだ。

今回のメインネット立ち上げにより、暗号資産のリテール投資家はセガのプロダクトを正式に利用できるようになる。そしてセガは当面の間、フィクスト・クーポン・ノート(FCNs)を取引する4つのパッケージを提供する予定だ。

そのうちの1つは、セガ独自の「Cega Super Sanics NFT」を保有するユーザーにのみ提供されるという。なおフィクスト・クーポン・ノートとは一定の条件の元、投資家に定期的なクーポン支払いを提供する金融商品である。

セガが提供する4つのパッケージは次の通りだ。

原資産:BTC-ETHの「Cruise Control」
原資産:BTC-ETH-SOLの「Genesis Basket」
原資産:BTC-ETH-SOLの「Gotta Go Fast」
原資産:BTC-ETH-AVAXの「Insanic」

なお「Insanic」は、セガのNFTを保有するユーザーのみ利用可能となっている。

ちなみに25,000人以上の一般ユーザーの協力のもと、実際のトークンを使用しない開発環境にて動作テストは完了しているとのことだ。

Cega創業者兼CEOの豊崎亜里紗氏へ取材

あたらしい経済編集部は、Cega Finance創業者兼CEOの豊崎亜里紗氏へ取材した。

−−具体的に市場の崩壊に耐えうる価格保護機能とはどのようなものでしょうか?

ノックインバリアを低く設定することにより、5割から9割の相場の動きに対しての元本補償をしております。たとえばこれからイーサリアムが半値になったとしても、投資された元本が無くならないという仕組みです。 普通はノックインバリアをこれほど低く設定すると金利が全く出ないのですが、Cegaではバスケットオプションとクリプトのボラティリティを使って出しています。

−−暗号資産「SOL」の今後の見通しについて、どのような考えを持っていますか?

マクロ情勢とクリプト全体の動き、さらにはSOLのネットワーク問題が最近の値動きに影響を与えていると思います。マクロとクリプト全体の動きにはコントロールし難いものはありますが、SOLは引き続き強いチームが作っており、ネットワークのアップデートにも毎日意欲的に開発を進めているのでポジティブに捉えています。今ベットすべきチェーンはここ数週間の値動きを基準にするのではなく、次の3年間の見通しを立てるべきだと思っています。

−−またセガのメインネットローンチ後の具体的な計画について教えてもらえますか?

メインネットローンチ後、いくつか考えていることがあります。まず短期的なTVLを伸ばすこと。需要はかなりあるのですが、Cegaはエキゾチックオプションの市場を一から作っています。いきなり全ての需要をトレードすると市場が大変なことになるのでゆっくり広げていくつもりです。 中長期的には新しいプロダクトや教育などが計画として挙げられます。これらの詳細をユーザーの皆様に発表できることを楽しみにしています。

images:iStocks/Vit_Mar
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。