日本政府がweb3環境整備を本格化、骨太方針を閣議決定

日本政府がweb3環境整備を本格化

日本政府が、デジタル戦略など国家の方針に関する「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)」を経済財政諮問会議での答申を経て、6月7日に閣議決定した。また合わせて「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)」も公開した。

それらにはweb3、ブロックチェーン、NFT、DAOに関する内容が明記された。

「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)」では、「経済社会の多極集中化」に対応すべく7つの基本戦略の1つに「ブロックチェーン技術を基盤とするNFT(非代替性トークン)の利用等のWeb3.0の推進に向けた環境整備」が挙げられている。

骨太方針2022では「より分散化され、信頼性を確保したインターネットの推進や、ブロックチェーン上でのデジタル資産の普及・拡大など、ユーザーが自らデータの管理や活用を行うことで、新しい価値を創出する動きが広がっており、こうした分散型のデジタル社会の実現に向けて、必要な環境整備を図る」とし、「そのため、トラステッド・ウェブ(Trusted Web)の実現に向けた機能の詳細化や国際標準化への取組を進める。また、ブロックチェーン技術を基盤とするNFTやDAOの利用等のWeb3.0の推進に向けた環境整備の検討を進める」とした。

また「メタバースも含めたコンテンツの利用拡大に向け、2023年通常国会での関連法案の提出を図る。Fintechの推進のため、セキュリティトークン(デジタル証券)での資金調達に関する制度整備、暗号資産について利用者保護に配慮した審査基準の緩和、決済手段としての経済機能に関する解釈指針の作成などを行う」とも説明されている。

なお今後については、新しい資本主義実行計画工程表(案)に今年末までに「Web3.0の推進に向けた環境整備についての検討」と記載されている。 

また日本政府は、暗号資産やブロックチェーンなどweb3領域への規制整備を進めており、6月3日には参議院本会議にて、ステーブルコインを規制する内容などが盛り込まれた「資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案」が可決し、成立した。

この改正案成立により、ステーブルコインの発行者を銀行や資金移動業者、信託会社に限定。また売買・交換、管理、媒介等の流通を行う仲介業者には新設された「電子決済手段等取引業」への登録制が導入される。

参考:経済財政運営と改革の基本方針 2022 (案)
images:ロイター

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。