イーサリアムL2開発「StarkWare」約127億円調達、評価額1兆円に

StarkWareが約127億円調達

イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションを開発するスタークウェア(StarkWare)が、シリーズDラウンドで約127億円(1億ドル)の資金調達を完了したことが5月25日分かった。

スタークウェアはゼロ知識証明を活用したブロックチェーンのスケーリングソリューションを開発するイスラエルの企業。ゼロ知識証明により、数百のトランザクションを1つに統合することで、ガス代を大幅に削減することを目指している。同社の技術はディーワイディーエックス (dYdX)、ソーレア(Sorare)、イミュータブルエックス(Immutable X)などのブロックチェーンプラットフォームで利用されている。

今回の資金調達は、米ベンチャーキャピタルであるグリーンオークス・キャピタル(Greenoaks Capital)と米資産運用会社コーチュー・マネジメント(Coatue Management)が主導し、タイガー・グローバル(Tiger Grobal)など複数の投資家が参加したとのことだ。

また今回の資金調達ラウンドにおける同社の評価額は約1兆円(80億ドル)に達したとのこと。同社は2021年11月にシリーズCラウンドで57億円(5000万ドル)の資金調達を行っており、当時の評価額は2300億円(20億ドル)だった。つまり、わずか半年で評価額が4倍に増加したことになる。

なお今回調達した資金は、製品開発、エンジニアリング、ビジネス開発、チーム拡大に充てられるという。これらによりエコシステムのさらなる拡大を目指すとのことだ。

スタークウェアの共同創業者兼CEOウリ・コロドニー(Uri Kolodny)氏は「私たちが展開したSTARKsと呼ばれる数学ベースの技術は、ビジネスとクリプトコミュニティに貢献していくと思います。弱気市場の最中でもVCが強い支持を表明してくれていることは心強いです」とコメントしている。

今回のラウンドを主導したグリーンオークス・キャピタルのネイル・メハ(Neil Mehta)氏は「スタークウェアは、重厚な基礎技術、急成長する開発者コミュニティ、長年の研究とイノベーションを通じて真の信頼性を獲得したチームからなる、世界最高のL2スケーリングソリューションだと考えています。スタークウェアはすでにWeb3で最大のアプリケーションを支えており、さらに多くのアプリケーションを強化する彼らのチームと提携できることを嬉しく思っています」と述べている。

同じくラウンドを主導したコーチュー・マネジメントのルカ・シュミッド(Luca Schmid)氏は「高い取引手数料とブロックチェーン上の限られた帯域幅が、クリプトの普及を阻害しています。スタークウェアはそれを解決し、ブロックチェーンアプリによる数百万人の顧客へのシームレスなサービス提供を可能にすると考えています」と話している。

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参考: StarkWareTwitterThe Block
デザイン:一本寿和
images:iStocks/BadBrother

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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