WeWork元CEOがブロックチェーン活用炭素ベンチャー設立、a16zらから調達

WeWork元CEOがブロックチェーン活用炭素ベンチャー設立、a16zらから調達

WeWork元CEOアダム・ニューマン(Adam Neumann)氏らが、ブロックチェーン活用の炭素ベンチャー「フローカーボン(Flowcarbon)」を設立し、a16z cryptoらから7,000万ドル(約89億円)を調達したことが5月24日に分かった。

フローカーボンは、ブロックチェーン上でトークン化したカーボンクレジットのマーケットプレイスなどを開発している。同社は、炭素市場をアクセス可能で透明なものにし、何十億ドルもの資金を気候変動と戦うプロジェクトに直接投資できるようにすることをミッションにしている。また認証済みのカーボンクレジットをトークン化するオープンプロトコルも構築しているとのことだ。

なお創業メンバーはアダム・ニューマン氏に加え、同氏の妻のレベッカ・ニューマン(Rebekah Neumann)氏、ダナ・ギバー(Dana Gibber)氏、キャロライン・クラット(Caroline Klatt)氏、アイラン・シュテルン(Ilan Stern)氏の合計5名。CEOはギバー氏、COOがクラット氏が務める。また現在の従業員数は35名であり、オフィスはニューヨーク、モンタナ、ベルリンにあるとのことだ。

そしてフローカーボンは炭素担保トークンとして「Goddess Nature Token(GNT)」を発表している。GNTはカーボンオフセットとして利用できる他、トークン自体を売却することや借入や貸付に使用することができ、また実際のカーボンクレジットと交換することも可能だという。なお今回の資金調達は、GNTと株式によるものとのこと。

a16z cryptoのジェネラルパートナーであるアリアナ・シンプソン(Arianna Simpson)氏は、次のようにコメントしている。

「炭素市場は極めて不透明であり、特に自然を対象としたプロジェクトでは、オフセットに対する需要が供給を増やす速度を急速に上回っていると考えています。トークン化は明らかな解決策です。私たちはオンチェーンカーボンの分野を幅広く調査し、フローカーボンのチームとモデルが最高であると確信しています」

フローカーボンのCEOダナ・ギバー氏は、次のようにコメントしている。

「世界には重要な自然景観を破壊し、劣化させる強力な経済的誘因がありますが、自主的な炭素市場は、森林再生、自然再生、自然保護のための対抗的誘因を生み出す素晴らしい金融メカニズムです」

なお今回の資金調達はa16z cryptoがリードし、 General Catalyst、Samsung Next、Invesco Private Capital、166 2nd、Sam and Ashley Levinson、Kevin Turen、RSE Ventures, and Allegory Labs.、Fifth Wall、Box Group、Celo Foundationらが参加した。

参考:フローカーボン
デザイン:一本寿和
images:iStocks/agsandrew・BadBrother

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。