EYとPolygon、パブリックチェーン向けサプライチェーントレーサビリティサービス

EYとPolygon、パブリックチェーン向けサプライチェーントレーサビリティサービス

4大監査法人の1社であるEYが、イーサリアムブロックチェーンを活用したサプライチェーンのトレーサビリティマネジメントソリューション「EY OpsChain Supply Chain Manager」のベータ版の提供開始を5月17日に発表した。

一般的に企業向けのブロックチェーンを活用したトレーサビリティサービスは、プライベート/コンソーシアムブロックチェーンで開発されることが多い。 今回のソリューションでは、パブリックブロックチェーンに対応して、商品のトレーサビリティと在庫の管理、分析が可能になるとのことだ。

このソリューションは、EYとポリゴン(Polygon)が協働で開発するプライバシーに焦点をあてたイーサリアムバーチャマシーン(EVM)互換のプロダクトである「Polygon Nightfall」上で開発されたとのこと。EYとポリゴンは昨年9月より協業を開始していた。

「Polygon Nightfall」では、ゼロ知識証明関連のプライバシー技術が活用されている。そのため「EY OpsChain Supply Chain Manager」はエンタープライズ向けソリューションとして、低コストでプライバシーを確保しながら、商品のトレースや在庫管理が可能となる。

また最終的には、資産や在庫を表すFTまたはNFTを作成し、それらをサプライチェーンネットワーク全体で転送することも視野に入れているようだ。

EYのプリンシパル兼ブロックチェーンリーダーであるジェームズ・カンタベリー(James Canterbury)氏は、次のようにコメントしている。

「企業の境界を越えて複雑なオペレーションを管理することは大きな前進です。EY OpsChain Supply Chain Managerは、顧客が検討できるユースケースの幅を大きく広げます」

Polygonのエンタープライズ・リードであるアントニ・マルティン(Antoni Martin)氏は、次のようにコメントしている。

「これはまさに、私たちがPolygon Nightfallの構築と展開に着手したときに想定していた商用ユースケースです。金融サービス以外の企業向けユースケースは、まだ広く開発されていません。そしてプライバシーツールは、私たちにとって全く新しい世界を開くものです」

なおEYは5月12日にも、ブロックチェーンのモニタリングツール「Reconciler(リコンサイラー)」を発表している。 

参考:EY
images:iStocks/dalebor・shironosov
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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