S&P、暗号資産レンディング「Compound」を「B-」に格付け

S&P、「Compound」を「B-」に格付け

世界最大手の格付け機関S&Pグローバル・レーティングス(S&P Global Ratings)が、DeFi(分散型金融)で暗号資産レンディングプラットフォームを提供するコンパウンド(Compound)に、「B-」の格付けを付与したことが5月9日に分かった。

具体的にコンパウンドのトレジャリー(財務状況)に対して「B-」の格付けを行なった。コンパウンドは、DeFiプロトコルとして初めて大手格付け機関から格付けを受けたこととなった。

「B-」は長期個別債務格付けにおいて、投機的傾向が高い金融商品として評価されるようだ。S&Pの格付けでは、AAA(トリプルA)が最高位で、BBB(トリプルB)までが「投資適格」とされている。

S&Pはコンパウンドの貸出損失が限定的であると判断して、格付けを付与したようだ。S&Pが具体的に考慮した事項として「ステーブルコイン(USDC)の不透明な規制体制、ステーブルコインから法定通貨への転換リスク、コンパウンドの限られた資本基盤と4%の返済義務」などをリリースで説明している。

コンパウンドのゼネラル・マネージャーであるリード・カミング(Reid Cuming)氏は次のようにコメントしている。
「Compound Treasuryは、予測可能で、流動性があり、コンプライアンスがあり、透明性があり、そして今回格付けを受けました。S&Pの格付けは、私たちの機関投資家のお客様が暗号資産(仮想通貨)を利用した現金管理の機会とリスクをより容易に理解するのに役立ちます」

ちなみに暗号資産業界に対する規制の明確化やコンパウンドの安定したパフォーマンスが長く続けば、格付けレベルが高まる可能性もあるとのことだ。

そして今回の格付けの評価プロセスは、アドバイザリーおよび投資会社であるクラロスグループ(Klaros Group)と、ブロックチェーン企業のための財務モデリングおよびシミュレーションプラットフォームであるガントレット(Gauntlet)によってサポートされたとのことだ。

参考:コンパウンド
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。

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