アルゴリズム担保型米ドルステーブルコイン「TerraUSD(UST)」、ペッグ不安定に

「TerraUSD(UST)」、ペッグ不安定に

アルゴリズム担保型ステーブルコインTerraUSD(UST)が、1ドル=1USTの価格を16時間以上維持できなくなり、5月9日にマーケットで話題となった。

USTの希薄後時価総額は約2.4兆円規模であり、USTのペッグが不安定になれば、USTを活用したDeFiなどそのエコシステム全体に大きな影響があるのではないかということで、注目された。

USTは、テラフォームラボ(Terraform Labs)が開発するステーブルコインだ。またUSTはテラフォームラボが発行するトークン「LUNA」の取引によって、1ドル=1USTの価格が安定できるように設計されている。

LUNAとUSTの需要と供給のバランスを調整することで、1ドル=1USTの価格を保つ仕組みだ。またUSTはビットコインをステーブルコインの準備金として利用している。

ちなみにUSTもLUNAも、ステーブルコイン発行のためのブロックチェーン「Terra」を基盤に運用されている。「Terra」はコンセンサスの仕組みとして「Tendermint」のデリゲート・プルーフ・オブ・ステーク (DPoS)を採用している。

DPoSとは、通貨の保有者に対して保有量に応じた投票権を割り当て、投票によって取引の承認を委任するコンセンサスアルゴリズムだ。

今回USTのペッグが不安定になったかの理由は明らかになっていない。そしてメディア「The Block」は、DeFi(分散型金融)のカーブ(Curve)上でUSTと別のステーブルコインであるUSDCのスワップ取引が大幅に行われたことに触れている。

またテラフォームラボの創業者兼CEOのDo Know氏はツイッターで「これから7日間でUSTのペッグの課題に対応します」とツイートしている。

参考:The Block
images:iStocks/artsstock・Maximusnd
デザイン:一本寿和

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。 「あたらしい経済」の編集者・記者。