JCBとDatachain、異なるデジタル通貨の同時交換「PVP決済」の検証成功

JCBとDatachainが「PVP決済」の検証成功

JCBとDatachain(データチェーン)が、複数のデジタル通貨を交換する「PVP(Payment Versus Payment)決済」の検証に成功したことを4月28日発表した。

昨年12月より両社は「デジタル通貨交換基盤」構築を見据え、異種ブロックチェーン間のインターオペラビリティ(相互運用性)に関する実証実験を開始していた。

発表によるとこれら実証実験を通して、ステーブルコインや中央銀行デジタル通貨、地域通貨等など、国内外の多種多様なデジタル通貨が店舗等で決済に活用できるよう、PVP決済の実現を目指しているという。

今回の実証実験では「デジタル通貨交換基盤」の構築により、エンタープライズ向けブロックチェーン基盤である「Hyperledger Fabric(ハイパーレッジャーファブリック)」とコスモス(Cosmos)ベースのブロックチェーン基盤「Tendermint(テンダーミント)」の異なるブロックチェーン上のデジタル通貨のPVP決済を、第三者の信頼に依存することなく実現することに成功したという。

なおこの「デジタル通貨交換基盤」の構築には、検証を代替するモジュールである「IBC Proxy」、各検証モジュールとして「Hyperledger Lab YUI」、各ブロックチェーンとハブ間の通信プロトコルに「IBC(Inter-Blockchain Communication)」、クロスチェーン取引(ブロックチェーンをまたいだ複数の取引の同時実行)に「Cross Framework」がそれぞれ用いられているとのことだ。

またデータチェーンは、これらの実証実験の成果を整理し、コンセプトペーパーを公開したことも発表している。

このコンセプトペーパーでは、「デジタル通貨交換基盤」を主要なユースケースとして、ブロックチェーン間の相互運用性(インターオペラビリティ)を実現する手法の提案を行っているとのことだ。

データチェーンは今後もコンセプトペーパーで提案した手法をベースに、引き続きJCBと共に「デジタル通貨交換基盤」の構築を推進していくとしている。

ちなみにデータチェーンが関わるPVP決済のユースケースを想定した実証として、ソラミツ開発の「Hyperledger Iroha(ハイパーレジャーいろは)」の複数ネットワークにおいて、コスモス(Cosmos)のIBCを用いたインターオペラビリティ(相互運用性)の実証に成功したことをデータチェーンは4月21日に発表している。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/dalebor

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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