確定拠出型年金でビットコイン投資、フィデリティが提供しマイクロストラテジー採用も

フィデリティ、確定拠出型年金の投資先としてBTCを選択可能に

米大手金融サービス企業フィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)が、ビットコインへの投資が可能な企業向けデジタル資産口座(DAA)の提供を4月26日に発表した。これにより同社が提供する確定拠出型年金(401k)を利用する企業の従業員は、その投資先としてビットコインを選択できるようになる。

確定拠出型年金(401k)とは、任意加入の企業年金制度である。加入した従業員は毎月一定額の拠出金を積み立てることで、その運用結果に応じた年金を退職後に受け取れる仕組みとなっている。なお拠出金の投資先は加入者が選択できる。

今回発表されたDAAはビットコインや短期金融市場投資を保有する口座となっており、DAA上のビットコインはフィデリティ・デジタル・アセット(Fidelity digital Assets)のカストディ・プラットフォームで保管され、機関投資家レベルの安全性が保証されるとのことだ。

DAAの提供の理由について、フィデリティの企業年金部門の責任者であるデイブ・グレイ(Dave Gray)氏は「従業員が暗号資産へアクセスできるような確定拠出年金(401k)に対する雇用主からの関心の高まりと、暗号資産を長期投資戦略に組み入れる意欲をもつ個人からの関心の高まりに応えるため」と述べている。

またフィデリティは今回のようなデジタル資産に関する取り組みを行うことで「デジタル資産の提供を進化させ、拡大させる」という同社の継続的なコミットメントを示し、総合デジタル資産サービスプロバイダーとしての地位を前進させるとのことだ。

DAAを含む確定拠出型年金(401k)プランについては、早ければ今年半ばから導入可能となる予定であり、米ナスダック上場企業であるマイクロストラテジー(MicroStrategy)が同プランの利用企業第1号になる予定とのことだ。

マイクロストラテジーの会長兼CEOであるマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏は以下のようにコメントしている。

「マイクロストラテジーはフィデリティと協力して、401kプランの一環としてビットコインに投資するオプションを社員に提供する最初の上場企業になることを楽しみにしています。フィデリティのように企業向けにビットコインの革新を進めている企業と組むことは、機関投資家向けにビットコインのエコシステムの開発を進めることと同様に、当社にとって重要なことです」

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参考:Fidelity Investments
デザイン:一本寿和

images:iStocks/eugenesergeev・LongQuattro・shironosov

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この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部 一橋大学2年生 真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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